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2013年3月17日日曜日

オンラインショッピングのメールマガジンKPI - 連載第4回


前回の続きのオンラインショッピングの無料トラフィックについて考えてみます。今回はその中でも最も重要なメールマガジンについて詳細を検討してみましょう。


4.内部メルマガ
なんだメルマガか、と見過ごされがちなマーケティングチャンネルですが、こちらは未だに非常に重要なチャンネルです。先に外部メルマガを説明しましたが、当然外部メルマガは有料トラフィックであり、配信数毎、クリック毎、販売毎に等、業者により違いますが何らかの対価を貴社は業者に支払うことになります。しかし、一方でこの内部メルマガは配信毎に課金をされない、いわば唯一自分でコントロールできる魔法のようなマーケティングツールとなります。(もちろん配信用に外部サービスを使っていれば、配信毎に課金をされることになりますが、外部メルマガに比べると比較にならない程安価な投資となります)従い、先ずやらないといけないのはメルマガ会員の獲得です。貴社のサイト随所にメルマガ申し込み画面を付けるのはもちろん、メルマガ申し込み専用画面も作りこみましょう。そこには過去のメルマガのサンプルなどを併設して置いておくと効果的です。Cookieを操作して、初回ビジターには必ずメルマガ登録のライトボックスをポップアップさせるのも有効です。また、Javascriptを駆使して、ブラウザーの一番下に動的にフロートして表示されるライトボックスも最近は人気です。もし、貴社システムでクーポンを作成できるのであれば、登録に対してクーポンを発行してもいいでしょう。発行金額は先に説明したCPOや顧客の生涯価値などで決定しますが、顧客にとっても十分魅力的な金額である必要があります。
メールマーケティングは既に10年以上の実績があり、他のメディアが成長してきている中で、現在でもダントツの効率的なメディアとして君臨しています。貴社の数少ない顧客との接点として、会社のマーケティング方針と合致したコンテンツを購読者に届けるようにしましょう。このメールマーケティングの唯一の欠点は、効果的なだけに多くの業者がメールマーケティングを実施しており、非常に多くのメールがインターネット上を行き来しています。それに伴い、メールオペレーターや、インターネットサービス・プロバイダーにスパム判定をされることも多くなって来ています。一度スパム判定されるとユーザーの受信箱に届けるのは至難の業となります。従い、ここは必要投資と考えメール配信率アップのコンサルティングを頼む等、しっかりと配信されるよう投資をしていく必要があります。届かないメールは送っていないのと同じであることを忘れないようにしましょう。

メールマガジンは非常に重要なマーケティングツールだということをご理解頂いたので、ここでは、メールマガジンのKPIについて考えてみます。後ほど顧客クラスターの重要性については別途説明しますが、ここではメールマガジンそのものの管理に必要なKPIについて説明します。メールマガジンのパフォーマンスは下記の公式によりトラック可能です。

「メールマガジン経由の売上」=「配信数」x「配達率」x「開封率」x「クリックスルー率」x「転換率」x「単価」

このように書くと非常に難解ですが、それぞれはさほど難しくありません。順番にみていきます。


配信数
先ずは如何に大きなユーザーベースを持っているかが勝負になります。ビジネスを始めたばかりの時期は如何にユーザーのメールアドレスを獲得するかに注力しましょう。先ずは貴社が何者かを分かってもらわないといけないため、ブログやツイッター、フェイスブックなどを活用し情報を発信します。次に貴社のサイトの特設ページでいかに貴社のメールマガジンが楽しくユーザーにベネフィットがあるかを訴求します。トップページはもちろんあらゆる箇所にメルマガ登録ボックスを設置します。また、cookieを管理できる技術力があるなら、cookieのない新規ユーザーにはメルマガ登録のライトボックスを強制表示し入会を促すのも効果的です。その際、更にクーポンを追加すると効果は上がります。この獲得したベースを毎日既存ベースに追加していきます。実はこの配信数は次の配達率に非常に関係してきます。やみくもに質の悪いメールアドレスを増やすとスパム業者として扱われ取り返しがつかなくなりますので配達率をモニターしながら推進します。


配達率
持っているメールアドレス全てにメールを配達することは通常出来ません。このように書くと、自分のメールが届かなかったことなどほとんど無いよとおっしゃる方も多いと思います。しかしながら、貴社がサードパーティのメール配信業者を利用している場合はさほど気にする必要はありませんが、自社で送信する場合は毎日1万通を超えたあたりから注意が必要です。貴社のビジネス規模が拡大するにつれて大量のメールを送るようになると思いますが、大量のメールを送る企業をインターネット・プロバイダーやGmail、Hotmailなどのメールサービスプロバイダーは嫌います。嫌うというと語弊がありますが、大量に送れば当然受け取りたくない人々の数が増えます。数が増えると当然プロバイダーは注意して観察を始め、ある一定の閾値を超えると、そのそも貴社からのメールを受け取らないか、受け取ってもユーザーのスパムボックス(ゴミ箱)に届けるということを始めます。特にユーザーはプライベートで使うサービスに会社のメールアドレスは使わずに、GmailやHotmailなどを使う傾向があります。そういうユーザーが多い、Gmail、Hotmailも扱いに慣れており、いとも簡単にスパムトラップに引っかかってしまうでしょう。先述のようにメール配信率改善コンサルに頼むのもありですし、またしっかりとセグメントをして配信していくことで、ユーザーとの関連性があがり開封率の向上も期待出来ます。いずれにせよ本件は会社の成長と共に必ず直面しないといけない問題ですので、地道に取り組みましょう。


開封率
届けることができたら今度は開封してもらえるかが課題となります。開封率の多くはメールの件名に依存しています。件名にユーザーの名前を記載したり、直近の購入などユーザーの過去のアクションに起因した件名を記載すると開封率が上がります。送料無料や激安、○○円獲得しました!、的なオファー色が強いメールはプロバイダーによってスパム判定される確度も上がりますので、結果を見ながら慎重に適用します。ここでもやはり強いのはクーポンです。新鮮味が薄れない程度にクーポンを織り交ぜながら配信していきます。開封されないメールは配信されていないのと同じです。配達率を改善する業者にいくら高いお金を払っても、メールのコンテンツそのものに魅力がないと全くのお金の無駄遣いになりますので、チームを作ってしっかりとフォローアップしましょう。

クリックスルー率
やっとの思いでユーザーのメールボックスに到着し開けてもらったとしてもクリックして、貴社のサイトに来てもらわないと意味がありません。従い、何クリックされるか、何人のユーザーを本サイトに運んだかが重要な指標となります。ここでのクリックスルー率の計算方法は、総クリック数÷総オープン数でよいでしょう。ユニークをカウントしたりいろいろな方法がありますが、トレンドを把握するだけなので簡単な方法で十分です。昨日のメールより今日のメールのクリック数がなぜ悪いのか、それはオファーが魅力的でなかったのか、それとも送るユーザーベースを間違ったのか、それともそもそも配信されていないのか、開いていないのか毎日分析とフィードバックの時間を設けて改善しましょう。


転換率と単価
本サイトに来てからのKPIは通常のKPIと同じになります。そのメールマガジンからいくらのクリックを受け取り、何件の注文に結びついたのか、その転換率(CVR)と単価を毎日トラックします。この内部ベースへのメールマガジンは他のマーケティングチャンネルと比較してパフォーマンスを測るべきものですので、簡単な比較表を作成して管理します。マーケティングチャンネルにはお金を払っていますが、この内部メールマガジンには払っていないので、先ずはユーザーベースの拡大に伴う、クリック数を増やす努力と、それ経由でタイムリーにユーザーの欲求にあったものを配信するきめ細かい配信コンテンツ管理で、将来的には最大のマーケティングチャンネルにすることが当座の目標となります。


コンテンツ
最後にメールマガジンのコンテンツについて考えてみます。皆さんも多くのメールマガジンを受信されていると思います。貴社のマーケティングチーム、編成チームに必要なのは、競合を含めた売れているオンラインショップのメルマガを毎日受け取り、何がトレンドなのかを理解することです。商品そのもののピックアップに気づきがあるかもしれませんし、レイアウト、配色等デザインに気づきがあるかもしれません。また、最近アメリカのベンチャー等で流行っているのは、少々砕けた会話形式でメールマガジンを送ることもよく実施されています。貴社のブランディング戦略もあるでしょうから、全てを真似るわけにはいかないとは思いますが、是非参考になる部分は吸収させてもらい、よりよいコンテンツを提供できるようにしていきましょう。

2013年3月10日日曜日

オンラインショッピングの無料トラフィックKPI・SEO - 連載第3回


オンラインショッピングの無料トラフィックの種類
本日はNon paidトラフィクについて考えてみます。

Non paid即ち、無料トラフィックの事ですが大きく分けて次の4点となります。1.オーガニックサーチ、2.ダイレクトアクセス、3.リファラー、4.内部メルマガ(内部メルマガについては別途次週に詳細をお伝えします。)

1.オーガニックサーチ
同じGoogleからのクリックでも有料広告であるSEMでは例えば1クリック30円払う一方、このオーガニックサーチでは無料、0円です。従い、無料オーガニックトラフィックを増加させるアクションは貴社の経営方針の中でも最も大きな力を入れるべき項目となります。このオーガニックサーチを増やす努力は一般的ににSEO(Search Engine Optimization)と呼ばれ、こちらもそれだけで1冊の本になり、また巷にSEOコンサルタントが溢れていることからも、誰もが注目をして行動しているアクティビティです。一方で結果を出せている企業はごくわずかです。SEMと同じで競合が激しく検索上位に出ることは日に日に難しくなってきております。
先ずはそもそもSEOの努力として何をしていかないといけないかを考えてみましょう。SEOというと多くの方が何か裏道や魔法があるのではないかと期待するのですが、実はそのようなものはなく、Googleが指定するフォーマットに従い、Googleが要求することを地道に忠実にやることが最重要な取り組みとなります。従いもし貴方がSEOの担当であれば下記のGoogleからの公式ドキュメントが毎日目を通すべき必須の記事となります。

Official google blog for general information
http://googleblog.blogspot.com/
Official google blog for webmaster
http://googlewebmastercentral.blogspot.com/

簡単に説明します。

基本編
ページのタイトルをタイトルタグにしっかり記載する。特にこの部分はサーチ結果に出るので、貴社が例えば携帯のオンラインショップであれば一目でそうだと分かる店舗名を含むページ名にします。

次に、Descriptionメタタグに該当ページの詳細な説明を記載します。ここで重要なのは各ページごとに違うDescriptionを記載することです。そのことによりGoogleがよりユーザーフレンドリーなサイトであると認識します。

URLに関しても、ドメイン配下の各コンテキストを機械的に付けるのではなく、ユーザーが見て何のコンテンツか分かるように命名することがよりSEOフレンドリーとなります。これはGoogleが判断すると同時に、サーチ結果にURLとして表示されるのでユーザーの潜在意識に訴えるという心理的な効果も期待出来ます。

また、サイト自体を階層構造にして、ユーザーがナビゲートするのに困らないようにすることも重要となります。そしてその構造のXMLサイトマップをGoogle指定のフォーマットで作成します。XMLというと難しそうに聞こえますが、こちらもGoogle指定のフォーマットで記載するだけですので少々の手間は惜しまず必ず作成してGoogleにWebmaster tool経由で送付しましょう。XMLはGoogleが機械的にサイト構造を理解するためのものですが、同時にユーザーが視覚的に理解できるHTMLサイトマップを置くことも重要な要素となります。

更には、各ページへのリンクアンカーを置く際にも、「次へ」的な機械的な表現ではなく、「ロレックス特集を更に見る」的なリンク自体に意味があるように構築することも重要です。また同時に分かっていながらなかなか出来ていない取り組みに、イメージのAltにしっかりとテキストを挿入することもSEOフレンドリーな施策となります。

HTMLそのものに関しては、H1タグが最上位の階層に位置するHeading Tagですので、デザインの都合などで複数のH1を使ったり、H2にページの重要な説明やキーワードが配置されないよう気をつけましょう。

重要な点は各ページごとに上位表示を狙うキーワードを一つだけ選定し、それに即したコンテンツを記載することです。非常に工数のかかる手作業となりますが、結局しっかりと人間の頭で考えて作られたページが最終的にGoogleのSEO的にも有効なようにできているということです。SEOに王道はないと考え地道にコンテンツの増強を心がけましょう。

2.ダイレクトアクセス
ダイレクトアクセルは貴社サイトの媒体価値の指標の一つとなります。即ち貴社ブランド浸透度の目安です。ダイレクトアクセスを増やすことを考える上で重要なのは、いかにしぶとく機会がある毎にトップページへの導線を用意するかということです。ユーザーが貴社のトップサイトを見る回数が上がる度に、貴社のブランドランクを上げるチャンスが上がっていると考えて良いでしょう。貴社のコニュニケーションの基本であるEmailや、ランディングページ、お買い物完了画面など、あらゆる場所に貴社のロゴを露出し、ユーザーの潜在意識に訴えると共に、実質的なクリックを取っていきましょう。
ダイレクトアクセスにはブラウザーにURL直打ちするユーザー、ブラウザーにブックマークしたところからやってくるユーザーなどが考えられます。
同じく媒体価値を測る指標としては、トップページのページビュー数も重要な指標となります。また、SEMやSEOの貴社名関連のキーワードが含まれる事になると思いますが、これらのキーワードは実際にはダイレクトアクセスと同じブランド浸透度の指標となりますので、各パフォーマンスを測る際に通常キーワードとは別に管理することを推奨します。

3.リファラー
貴社のサイトへリンクされているリンク元のアクセスの総数を指します。リンクがされればされるほどSEO効果があると同時に、実際にそのサイトから訪問者をもらえるので、こちらも非常に重要な取り組みの一つとなります。リンク元を増やしてもらうために先ず有効なのがPR(プレスリリース)です。プレスリリースをすることでオンラインメディアに取り上げられることにもなり、それを見たブロガーなどの転載も期待できます。このPR回数はしっかりとKPI化して、定期的にメディアが見て魅力的なトピックを作り出しましょう。オンラインショッピングでいうと、新製品はもちろんのこと、既存商品でもターゲットや切り口を変えて、「そういう使い方があったのか!」的なPRも有用でしょう。PRの結果は掲載メディア数、更にできれば広告換算価値によってパフォーマンスを確認することが可能です。

2013年3月2日土曜日

オンラインショッピングの有料広告KPI - 連載第2回




本日はオンラインショッピングで使う広告媒体、各メディアの特徴を考えてみましょう。

・SEM - 予算の管理が簡単かつ検索している=興味を持っているユーザーを連れてこれるため、現時点では最も効率のよいオンラインマーケティングチャンネルといえます。但し貴社の扱う商品によっては競合が激しく、1クリックあたりの単価が非常に高額になる可能性があります。その場合は複合キーワードを作成するなどして単価を下げる必要がありますが、比例してクリック数も下がるため手作業での多くの作業が発生します。選任をつけるか、エージェンシーに頼む等、貴社の予算に合わせた戦略的な取り組みが必要でしょう。また、Googleの指定するクリック後の離脱率を基本とするクオリティスコアを維持する必要があり、これを改善するためには中長期的な取り組みが必要です。従い、単発で明日だけトラフィックを送りたいというような需要には不向きといえます。

・ディスプレイ広告 - Google Display Networkに代表されるディスプレイ広告のことを指します。非常に低単価でクリックを稼げる可能性がある一方、商品が買いたくて検索をしたユーザーではない「たまたま」ユーザーを運んでくる可能性が高く、必然的に離脱率は高く、転換率は低いといわれます。とはいえ買い物関連コンテンツを特定ジャンルのブログに出す等のカスタマイズ設定ができるため、貴社のキャンペーンのパターンに合わせてトライしてみる価値はあります。また、インプレッションは稼げるためブランディングに有効という見方もできます。但し、少額の予算でのブランディングはできないため手元資金に余裕があるときのオプションの一つとして検討するのが良いでしょう。


・ポータルバナー - オンラインショッピングを開始した店舗が広告と聞いて先ず思い浮かべるのがこの種のポータルバナーです。何故なら彼ら自信がよく見るからです。一方で、投資効果的に見ると最も効率の悪い広告ともいえます。にも関わらず何故大手オンラインショッピング業者は広告を出し続けるのでしょうか。理由のひとつには、彼らは既に大きく知名度もありあとはいかにシェアを伸ばしていくかという段階に入っているからといえます。もしくは最初から投資家からたくさんの資金調達を済ませ、いかにお金を使って数字を伸ばすかというビジネスモデルを組んでいるかもしれません。逆に言うと知名度も資金的余裕もない中小企業がバナーを購入しても継続することはできないので効果を見込むことはほとんどできません。月間月1000万円のマーケティング資金があり500万円はバナーにまわしてもよいという規模以下の場合は、こちらも手元資金に余裕があるときのオプションの一つとして検討した方がいいでしょう。


・外部メルマガ - 単発でトラフィックを送りやすいメディアの一つです。但し、メールアドレス保有業者の限界に貴社のマーケティングの限界が同期するため、スケールしにくいマーケティング手段です。メルマガの一部買取と全部買取の二種類がありますが業者を複数使用し比較しながら貴社に最適なパートナーを見つけることを推奨します。また業者によって課金体系が違い、配信数課金、クリック課金、コンバージョン課金と複数の方法があります。業者にとって有利なのは配信数課金で、広告主に有利なのはコンバージョン課金ですが、いずれにせよ転換しなければ意味がないので複数のオプションを数ヶ月テスト運用し最適なパートナーを決める事が重要となります。

・リードジェネレーション - 毎回外部のメルアドを買っていると、もし自社でメールアドレスをもっと保有すれば更に低コストでメールマガジンを送ることができるのにと思い始めるに違いありません。それに対してのソリューションの一つがリードジェネレーションです。リードジェネレーションとは2000年前半にアメリカで流行った広告手法のひとつで、広告業者は自社のランディングページを作成し、そこに自社の力でトラフィックを運び、そのうち何人がユーザー登録をしたかという指標で課金、請求される仕組みです。即ち、契約にもよりますが、10,000ユーザーを30万円で獲得して欲しいと要求すると、リードジェネレーション業者はあらゆる手段を駆使して10,000ユーザーを貴社のために獲得してくれます。一見有用な広告手段ですが、彼らが集めてきたユーザーの質をチェックしながら進める必要があり、それを怠るとお金を払ったが結果スパムメールアドレスばかりを集められ、自社のメール配信率に影響が出るなどという本末転倒な結果になりかねません。

・リターゲティング
一度貴社のサイトを訪れたユーザーにタグをつけて、そのユーザーがリターゲティング会社の持つネットワーク先のサイトを訪れた際に貴社のバナーを表示するテクノロジー全般を指します。一般的に一度ユーザーが訪れた後、再度そのバナーを見て貴社のサイトを訪問した場合ユーザーのエンゲージメント(関与関数)は高いといわれ、その結果コンバージョン(転換率)が上昇すると言われます。従い転換率だけ見るとリターゲティングの転換率は際立って優秀な結果となります。一方で、それを分かっている広告業者が運営しているわけですから、クリックあたりの単価を高く請求しています。結果として必ずしもROIが優秀なメディアになるとは限りません。このメディアも他のメディアと同じく継続したチューニングが必要で、ある程度のバランスが取れるまでは出費をすることとなり、バランスがとれた後も御社のROI、CPOターゲットに合致しているか絶えず確認する必要があります。


・アフィリエイト
アフィリエイトとはアフィリエイトネットワークを持つアフィリエイト業者が広告主である貴社を含めたアドバタイザーと、広告掲載サイト保有者であるパブリッシャーを結びつけ、CPA(Cost per Action)で課金するるサービスを提供しているものを指します。広告主はアピールしたい広告をパブリッシャー指定のフォーマットで提供し、パブリッシャーは数多くある広告の中から彼らが最も転換すると思いかつ、コミッション料率の高い広告をピックアップすることになります。アフィリエイトは最も効率のよい広告媒体と一般的には捉えられていますが、記載しました通りパブリッシャーの判断に大きな部分が委ねられているため、結局は貴社自信と貴社の提供できる料率をパブリッシャーにPRする必要があります。これは通常ブランド力の高い企業が強く、中小企業には厳しい競争となります。従い、一般的に言われている程、アフィリエイトマーケティングは容易ではなく、もし貴社が何らかの大型モールなどに出店して、その大手のブランド力を借りられるのであれば、有用なマーケティングチャンネルとなるでしょう。さもなければ、こちらも地道にプロモーションとチューニングを継続していく必要があります。


・Facebook広告
Facebook広告はオンラインショッピングに使えるかという議論がここ最近の話題とも言えるでしょう。結論からいいますと使いようによっては使えるといえます。Facebookをどういうメディアとして捉えるかにより貴社のFacebook対策は変わってきます。筆者の経験からいいますと、Facebookを中間メディアとして捉えたところがうまくFacebookを活用できているように見受けられますので、この中間メディアの媒体としての使い方を説明します。そもそも中間メディアとはなんでしょうか。Google Adwordsに代表されるSEMは商品を欲しいユーザーを運んでくるメディアといえます。対してFacebookはまだモノが欲しいと決まっているわけではないユーザーが、製造元や販売企業とコミュニケーションを取る場と考えられます。従い、対Facebookのメディア対策としては、1.Fanの数を増やし潜在顧客にアプローチする、2.ファンページ内でのコミュニケーションを活性化させ、彼らにとっての貴社をブランディングさせる、3.貴社の真のファンユーザーを本当にいいディールの時のみ本サイトに誘導する、という構成になるでしょう。従い第一の目的はユーザーをファンページに誘導しファンになってもらうことになります。FacebookはCPCでの広告を提供していますので、先ずは10万ファンを目指して自社の対象セグメントに使いユーザーをターゲットに投資をしていきます。1ファンあたり10円程度で獲得できるのではないでしょうか。この10円という金額は自社サイトにユーザーを誘導するのに比べて非常に安いですが、転換するためには更に自社サイトを経由してもらわないといけないので非常に手間がかかります。しかしこのファンサイトは購入者になる前のユーザーを囲える魅力的な場所ですので、メルマガと同様に捉えて、ファンの数の向上とコミュニケーションの質の向上を目標に取り組んでいきます。コミュニケーションの種類は貴社の販売する商品によりますが、ディスカバリーショッピング的な何か新しいものを発信する方式であったり、ファンにだけ提供する驚異的に安いオファーといった方式も考えられるでしょう。貴社のブランド戦略に合ったFacebookコミュニケーションが必要となります。



では一体どの広告を選べばいいの?
上記の他にもテレビなどの旧メディアもありますし、新聞やビルボードなどのオフライン広告もあるでしょう。そのような多数のメディアの中から何を基準に貴社は広告を選べばいいでしょう。答えは意外に簡単で、貴社が何のために広告を出しているのかという基本を考えることで解決できます。

オンラインショッピング企業が広告を買っているのは、商品を売るためだと一般的に思われていますが、それではその企業は永遠に黒字になりません。オンラインショッピング企業が大金をはたいて広告を出すのは、目の前の商品を売るのではなく、将来顧客を獲得するために広告を出しているのです。どういう事か考えてみましょう。

オンラインショッピング事業を運営する上で最も重要な指標の一つとなるのがCPOです。CPOとはCost per Orderの略で、いくら外部メディアに投資をしてその注文を取ってきたかという指標となります。即ち10000円を投資して、50注文を取ってきた場合のCPOは200円となります。この際の貴社の平均単価が10000円、利益率が10%とすると、単純計算で(利益)-(一回顧客を外部から取ってくるコスト)=800円の最終利益となります。逆に考えるとあと800円はメディアに投資しても彼らがリピートしてくれれば元は取れることになります。

従い、オンラインショッピングで重要なのは1.自社製品の利益率を確保すること、2.それに見合ったメディア計画を立て集客すること、3.一度集客したユーザーをリピートさせることとなります。ご理解頂けましたでしょうか。上記は単純な計算で且つ理想的な状況ですが、通常はCPOはそんなに安くならず、利益率もさほど確保できないという厳しい状況になると思います。これは貴社が選んだマーケットがそういう過酷な競争のものだということです。その事実を認識し、その中でいかに勝ち抜いていくかを考えるこで勝機が見えてくるはずです。CPOに関しては最適な商品とメディアの組み合わせを絶えず探求し、利益率に関しては卸との交渉はもちろん、利益率の低い型番商品で集客し利益率の高い自社ブランドのリピート商材で儲けるなど、包括的な勝つ戦略が必要となります。

オンラインマーケティングに関してはこの題目だけで一冊の本が書けるので一旦この程度にしておき、次回はもう一つのVisitorの柱であるNon paidトラフィックについて考えてみましょう。