各戦略・戦術の優先順位
オンラインショップも小売業ですから、小売業に王道はないようにオンラインショップの運営にも王道はありません。しかし、そこにいたる各要素の働きを理解しておけばにトライアンドエラーによる時間とお金の無駄遣いを未然に防ぐことが出来ます。中には全て指摘された通りにやったが結果が上がらないという方もいらっしゃるでしょう。むしろ多数かもしれません。そのような時は再度下記の順番でトライしてみて下さい。
1.先ずは入り口商品を作る
オンラインショップはまず商品づくりからです。逆にいうと入り口商品がないのにオンラインショップを初めてはいけません。必ずこれなら間違い無く消費者は買うだろうという商品を最低1つは作って下さい。
2.商品ページを最高に仕上げる
1で用意した入り口商品用に最高の商品ページを作ります。写真はプロが撮ったような出来である必要がありますし、複数枚のカットが必要です。ページ自体は使用しているイメージがわくように、使用シーンを想定した写真を多用します。それに必要なテキストもしっかりと記載します。
3.SEOはそつなくこなす
この最高のページに訪問客が来ないと始まりません。お金がないから人を呼べないよという前に最低限のSEO対策はしましょう。Googleの推奨している項目を実施するだけでも効果がでます。最低1つのキーワードは検索結果の1画面目に出てくるまで継続しましょう。
4.トラフィックを購入する
次にいよいよ作ったページにトラフィックを送ります。ドキドキする瞬間ですね。しっかりとキーワードを選び無駄なコストをかけないようテストをしながら進めます。200クリックあった時点で1つも購入がない場合は、キャンペーンそのものか商品の魅力に問題があるはずです。何が問題かつきとめ結果がでるまで頑張りましょう。
5.リピーターになるためのフォローアップ
入り口商品が売れ出したらリピータのフォローアップも同時に開始します。目先の売上が欲しくて新規購入者に目が行きがちですが、リピートしない店に未来はありませんのでビジネス開始当初からしっかりとフォローアップします。
6.品揃えを増やす
店のサイクルが回りだしたら次は品揃えを増やす時です。誰もが知っている型番商品から、オリジナル商品まで幅広く増強します。ポイントは型番商品は価格勝負が否めないので薄利で販売しますが、オリジナル商品でしっかりと利幅を取ることです。自社の商品の利益率をしらずに投資はできません。利益率からしっかりとCPAを計算し必要な商品戦略を立てて実行していきます。
7.離脱率対策をする
店に人が来だすとどこで彼らが離脱しているかもアナリティクスを通して確認することができます。業界スタンダードのシステムを導入しているとしても改善点は多数あります。しっかりと一つづつ対策を続けます。これは終わりのない戦いとなります。ABテストを実施し常に改善をしていきましょう。
8.トラフィックを増やす
ここまで来たらひと通りのサイクルは回っているはずです。貴社がどれだけ成長したいかに合わせて投資戦略を決めます。投資戦略に沿ってしっかりと結果をモニタリングしながらトラフィックを増やしていきます。決して、予算をつけたから使いまくろうなどとは思わないように。
9.購入者を増やす
更なる新規購入者を目指す時です。投資戦略の一部をCPAの安い戦略商品とメディアチャンネルに投資し、新規購入者を劇的に増やします。
10.リピーターを増やす
クラスター管理を導入し、それぞれの上位クラスターに移行するよう全てのコミュニケーション戦略を練り直し、ロイヤルカスタマーの数を増やします。
簡単に聞こえますが変数の管理とバランスが難しい取り組みになります。特に苦労するのがトラフィックを購入するところでしょう。特に品揃えの少ない時期は苦労します。従い必ず売れる入り口商品で顧客をつかみリピートさせることが重要ですので、先ずは入り口商品がGoogleから継続的に売れるよう全力を使います。その後試行錯誤をしながら有料トラフィックをふやしつつ、ユーザーをリピートとして定着させるよう頑張りましょう。
以上、オンラインショップで継続的に売上を上がるというのは非常に大変なことだとご理解いただけたのではないでしょうか。しかし、同じ努力をするにしてもオンラインショッピングの算数を理解し科学的に攻めるか、直感だけで攻めるかにより違った結果がもたらせれるというのはご理解いただけたのではないでしょうか。是非、本連載を参考に貴社の売上を向上させて下さい。
本連載では随所にKPIという言葉を使用していますが、なるべく読者の皆様が気負わないように自然な形で理解できるように構成してあります。とはいえ、各指標の管理にはそれなりのツールが必要です。是非KPI Masterを貴方の相棒にご選択いただければ幸いです。