[KPIの7つの特徴]
KPIには下記のような7つの特徴を見て取ることができます。
1.KPIはファイナンス関連の指標ではありません(ドルや円では表示できません)
2.頻繁に計測される必要があります(24時間、日次、少なくとも週次)
3.CEOか批准するシニアマネージャーによって推進される必要があります
4.スタッフによるどういうアクションが必要かが明確に示される必要があります
5.責任はチームレベルに落ちる必要があります(CEOはいつでもチームリーダーを呼び出し必要なアクションを取らすことが出来る必要があります)
6.会社の業績に大きなインパクトがあります(いくつかの重要成功要因やバランスコアの成否に直結する影響力をもっています)
7.的確なアクションが自然に生み出されます(生煮えのKPIでは変化への気付きが実行までおちません)
1.ドルマークや円マークをつけた時点でそれはKRIに変換されたと考えられます。KPIはそれらのKRIよりもはるか深くに存在すべきものです。例えば売上の主要な割合を占める顧客とのコンタクト回数などが考えられます。
2.基本的には24時間365日、日次、最低でも週次で計測されるべきものです。月次や四半期、半期ごとの指標がKPI足りうることはありません。というのも物事が起こった何日も後に計測しているのであればその指標が貴社のビジネスの「Key」であることはないからです。KPIとは現在もしくは未来に起因する指標であり、過去の出来事を振り返る指標ではありません。残念ながら多くの企業では過去の指標を管理しています。
3.全てのKPIには会社の業績を変える力があります。それはCEO自らが多くの時間をさいて監視しているからです。CEOは必要であれば毎日現場の責任者を呼び出したり電話します。当然毎日CEOから追求されるのは現場からすると心地よいものではなく、それ故に大きな推進力が発生します。先の航空会社の例では生産的でイノベーティブなプロセスは同じ過ちを防止するために生み出されました。
4.KPI自体がどのようなアクションが必要かを教えてくれます。再度先の航空会社の例では、定時発着率の低下というKPIは、KPI自らが損失を埋めるために何らかのアクションをしないといけないと働きかけました。クリーニングスタッフ、地上スタッフ、交通管制担当者、全ての従業員が1分を削りサービスレベルを維持し、向上するために全力を尽くしました、または尽くす意味合いをKPIが働きかけて教えたといえるでしょう。
5.KPIは各チームの活動に結び付けられる必要があります。別の言い方をするとCEOはいつでも担当のチームの誰かを呼び出し「何故?」と聞くことができます。従い資本利益率などはKPI足りうることはありません、何故ならそれは各チームの活動に結びつけられないからです。それは各チームの総合的な活動によりもたらされる結果だからです。
6.会社の業績に大きなインパクトがあります。いくつかの重要成功要因やバランスコアの成否に直結する影響力をもっています。言い換えると、CEO、各マネージャー、スタッフがKPIに集中している時、組織はひとつの目標に向かい自走できます。航空会社の例では、定時発着率が全てのバランススコアの達成に必要な活動につながりました。
7.KPIを設定する前に、それらは各マネージャー、スタッフに対して望ましい振る舞いをもたらすかどうかをテストする必要があります。一方でKPIが全く機能しない振る舞いをもたらした事例は多数あります。次回に2つの事例を説明します。