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2012年6月14日木曜日

マーケティング部ヒアリング

日を改めて草薙はマーケティング部長の浅井部長と対面しました。
「草薙さん、いろいろと噂は聞いていますよKPIは私の大好きな管理指標でして、できることなら何でも協力しますから言って下さいね」

草薙はこの下手に出る浅井を警戒しながら話を始める。
「浅井さん、こちらこそよろしくお願い致します。今大好きとおっしゃいましたが、ではすでにマーケティング部のKPIは設定されているということでしょうか?」
「あたりまえですよ、こちらです」
と、浅井は自分のパソコンをスクリーンに投影しながらGoogle Adwordsにログインをした。
「今やっていることは、CPCを20円以下に設定し、限られた予算でなるべくクリック数をあげることです。同時にROIの目標を10%に設定しており、日々それを目指してチューニングしています。」
「なるほど、コンバージョンレートは見ていますか?」
「見ているけど主要な指標とはしてないですね。コンバージョンは購買サイドの商品への目利きや値段に左右されますからね」
草薙は議論をしかけたいところをぐっとこらえて次の質問に移った。
「Google以外はどうですか?」
「価格比較サイトやアフィリエイトをしていますが大した金額を投入していないのでクリック数とROI以外は見ていないですね」
「全体には月いくらの予算を使っていますか?」
「月によりますが6000万円くらいでしょうか?」
「そのうちGoogleにはいくらつかっていますか?」
「先月で2000万円くらいですかね」
大きいとはいえ全予算の3分の1しか使っていないGoogleしか管理していない、またしていといってもGoogle Adwordsのコンソールを見ているだけのこのマーケティング部長はきな臭いとと思いながら話を円満に終わらせ草薙は退室しました。

マーケティング部隊は効果が出てもでなくても予算がつき、また効果の出し方が非常に分かりづらいだけに、往々にして本ケースのように権限を誇示するが、自部署についている予算金額を守りたいがために自己正当化しがちな責任者が多いようです。こういう人達には自尊心を傷つけないよう見える化をしながら外堀を埋めていく必要があります。

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