ビジネスを加速せよ

この激しい競争時代を勝ち抜くには己を知ること、管理できること

KPIツールの決定版KPI Master2

業務の改善のために必要かつ十分な機能をクラウドで提供

三種の神器を使いこなせ

業績アップの三種の神器KPIシート、業務フロー、アクションリストを使いこなすこと

改善サイクルと実行力が勝負を決める

今日他社よりも早く改善をできるかが明日の勝負を決める

情報は共有されているか

いくら苦労をしてアップデートしているKPIシートも共有されていないと意味はない、貴社では全従業員に情報アクセスを提供しているか

Pages

2013年4月2日火曜日

オンラインショッピングの転換率(コンバージョン率) - 連載第5回


次に転換率(Conversion rate)について考えてみます。商売は先ず人がいるところでする必要があり、人がいない場合は人を呼んでくる必要があります。従い、先の章のいかに人を呼んでくるかが非常に重要です。一方で人を呼んできても購入してもらえなければ貴社に落ちるお金はゼロ円になります。呼んできた人のうち何人が購入に至ったかの指標となるのが転換率(以下CVR - Conversion Rate)です。CVRを上げるには複合的かつ高度な取り組みが必要になります。複数の一般的な取り組みはありますが近道はないことだけは理解して地道に努力をしていきましょう。

1.サイトの離脱箇所
CVR改善には貴社のサイトのどこでユーザーが離脱しているかを知る必要があります。ユーザーの動向を知るためにはGoogle Analyticsに代表されるサイト分析ツールを導入する必要があります。まだ導入されていない場合は分析ツールの導入から始めましょう。貴社の対応システムがGoogle Analyticsなどのサードパーティツールを導入可能な場合は貴社のITチームに導入してもらいます。サードパーティツールを使えない場合は、システム自体に組み込まれていないか確認します。貴社のビジネスにとってこのサイト分析ツールは命綱といえますので何らかの理由でサイト分析ツールを導入できない場合はシステムの乗り換えも真剣に検討しましょう。サイト分析ツールにはGoogle Analyticsの他、アドビ社が提供するSiteCatalystもあります。SiteCatalystは貴社にあった柔軟な設定が可能ですが導入とメンテナンスが少々難しくなっています。一方、Google Analyticsは簡単に導入できるものの深くカスタマイズされた分析には不向きといえます。どちらが貴社に向いているかじっくり検証して導入します。

一旦導入した場合、監視すべきKPIはサイト全体の離脱率、トップページの離脱率、カテゴリーページ、サーチページ、キャンペーンページなどそれぞれのサイトセクション毎の離脱率となります。それぞれ注力箇所を選び日々のトラッキングを開始しましょう。

その中でもトップページは貴社のブランディングの成果を見るページでもありますので最重要ページとして監視します。特にこのページに関しては常に改善を入れられるように心がけます。Aパターン、Bパターンで結果の違いを確認できるABテストツールも広く出回っていますので、必要に応じて導入します。こちらもアドビ社のTest&Targetが有名なソフトウェアとなります。もちろんそのような有償ツールを使わなくとも露出率50%でバナーのクリック率の比較をするなどいくつかの方法がありますので是非トライして下さい。

トップページの離脱率対策として有効なのは、閲覧履歴や、商品ブックマーク、カート内商品の表示、レコメンデーションなどユーザーの主体的アクティビティの結果選ばれた商品を分かりやすいところに表示することです。閲覧履歴だけでも10%以上は離脱率が下がると思われます。重要なのはユーザーの行動意志に関連した商品を表示することで、高度なテクノロジーを使わなくとも適切に表示出来れば離脱率の改善に大きく貢献します。

次に目をつけるべき箇所は貴社のサイト内でトラフィックの多いサイトセクションになります。通常はサーチ結果かカテゴリーページになります。こちらもトップページと同じ要領でユーザーの行動意思に関連した商品を表示することはもちろんですが、売れ筋等のランキングコンテンツや、トレンド商品の表示など手作業での充実したコンテンツの表示も効果的です。このようにセクションごとの離脱率を削減していく地道な努力が最終的にはサイト全体としてのCVRの向上につながりますので、分析と改善を継続してきましょう。

2.カート改善
次に重要なのはショッピングカートとお買い物ステップそのものの検証です。今ではオンラインショッピングは汎用的なものとなり、どのサイトも似たようなお買い物ステップを実装しています。しかし似たようなお買い物ステップだからといって必ずしも最適とは限りません。特にこのショッピングカートでは買う意志のあるユーザーが到達してきているわけですから、少しの改善で劇的な効果をもたらすことがあります。皆さんもアマゾンがワンクリックで購入できるようにしているのをご存知かと思います。もちろんユーザーの利便性を上げることが目的ではありますが、彼らもカートでの離脱率を極限まで下げるにはどうしたらいいかといろいろ検証した結果、ワンクリック購入にいきついたはずです。ワンクリック購入はまだアマゾンの特許であるのと、よほどユーザーから信頼がないと決済を含めたデフォルトのお買い物方法を保存することに抵抗があると考えられるため、先ずは通常のお買い物ステップが最適な流れになっているかを確認します。

- 確認ポイント1
先ず確認すべきは貴社のサイトが会員制になっているかどうかという点です。会員制すなわち、購入にあたりユーザー登録が必要かどうかです。当然のことですが、ユーザーの心理的プレッシャーという視点から考えるとわざわざ会員登録しなくても購入出来る方が、ストレスが少ないですし利便的でもあります。では会員登録をなくそう、と短絡的に考えることはできません。これは貴社のビジネスモデルがどのような視点になって構築されているかにも左右されます。通常のオンラインショップであるならば、ユーザーを会員化して次の購入につながるオファーを送りたいと思うでしょうし、会員特別キャンペーンなども考えられているでしょう。従い、この会員にするかどうかという議論は既に出尽くされた感があり、会員化する方向で運営者側が動いているのが流れです。

また、ユーザーからみてもすでにお買い物用メールアドレスを持たれている例も多く会員登録することにさほど抵抗を感じていないようです。ただ参考までにアメリカもオンライントラベルサイトであるエクスペディアは(expedia.com)、発足当初から会員登録は不要で、世界中のほとんどのサイトが会員化にこだわっている現在も、会員登録は旅行予約のあとユーザーが望めばという形をとっています。そこにはいいトラベルの在庫をもっており、いいユーザーエクスペリエンスがあればユーザーが戻ってくるという彼らの確固たる意志を感じます。

一旦会員化すると決めた場合の検討箇所は、1.会員にならなくてもお買い物ステップに入れてお買い物を終了できるかと、2.お買い物後会員になるかを選択できるかという点でしょう。1は貴社のポリシーの問題ですので、ポリシーに沿って決めて頂き、会員にならなくても買えるようにする場合は、ゲスト購入できることをお買い物ステップの最初に明確にうたいます。2はお買い物内容確定時、もしくは確定後に会員になるかどうかをチェックボックスにて選択させます。確定後の場合は全くお買い物のCVRに影響を与えない反面、会員になる人数は確定前に選択させることに比べて劇的に減るでしょう。こちらも貴社のポリシーの問題となりますのでよく話し合って決めて下さい。

この会員登録の箇所を除くとショッピングカートのCVRに対する確認場所は限られてきます。1つめは住所入力と送料確定画面です。全品送料無料や全国一律いくら等の均一料金設定がなされていない場合は商品の組み合わせと配送地域により送料が変動します。変動送料制をとっている場合、どこで送料を確定させるかがひとつの検討課題となります。一般的には、送料の確認は商品ページやショッピングカートで可能で、最終送料が確定されるのは送付先を確定した時となります。

従い、商品確定>住所確定>送料確定というフローを通ることとなります。通常は、住所入力負担の軽減、不要な情報は入力させない、送料は安いものから並べる等の工夫による地道な改善が必要となります。

- 確認ポイント2
2つ目の確認ポイントは決済方法となります。現在各国共に主流はクレジットカード決済となっていますが、もちろん銀行振り込み、デビットカード、コンビニ支払いや代金引換え等のオルタナティブペイメントも重要な位置づけを占めています。また、PayPalなどの決済プラットフォームも重要なプレーヤーとなります。ここで留意すべき点は、ユーザーは多彩でありユーザー一人一人使いたい決済手段は違うということです。この観点からいくと、この決済ステップではいかに多くの決済手段を用意するかという点が最初のCVRの改善ポイントとなります。市場的にはクレジットカードと銀行振込、国によっては代金引換えなどの主要2から3決済手段で十分という統計がでているでしょう。しかしユーザーは多彩ですので、数パーセントでも需要があるのであればその決済手段は導入すべきです。現在は一社に繋げばほとんどのオルタナティブペイメントにつながるという決済ゲートウェイ業者も多数でてきていますので検討する価値はあるでしょう。また日本では今ひとつ人気のないPayPalですが、国によっては大きなシェアを占めていますので、検討してみる価値はあります。もちろんその際PayPalにユーザー情報や、購入情報などが渡リますので、貴社の成長戦略の中でPayPalのような決済業者は、競合となるのかパートナーとなるのかを見極めて導入します。

日本ではまだ使えませんが、Google checkout、Checkout by Amazon等もPayPalと同様に捉えることができます。これらの新決済手段の最大の魅力はクレジットカードを保存していることです。ユーザーの心理状況としてはなるべく自分のクレジットカードの保管業者は制限したいと思っています。従い、いくら貴社がライセンスを取り(VISA/MasterCardの要請によりクレジットカード番号の取得、保存にはPCIライセンスの保有が必要)カードを安全に保存するといってもなかなかユーザーは信用しません。それならばPayPalなどの既にカード番号保有が既にデフォルトとなっているサービスと連携するというのも十分考えられる選択肢だといえます。逆に、そのような市場環境にもかかわらず貴社を信用してカード番号を保存してくれるユーザーは非常に優良顧客である可能性が高いですので、マーケティングの素材として大いに利用する価値はあるでしょう。

またクレジットカードに関しては分割払いの実装も非常に重要な要素となります。世界中、特に新興国では大多数のユーザーがカードを分割払いで支払っています。貴社の決済ステップも分割払いが明確に選択できるよう設定しておきます。その際金利手数料の変動がある場合も明瞭に表記する必要があります。

以上、送料計算ステップ、決済ステップの見直しが完了したら最後にもう一度カート全体の流れを確認します。ボタンの色や配置など細心の注意を払って前ステップの統一性を確認します。最後に難易度は高くなりますが送付先や決済方法などをデフォルト登録できるようにして、次回のお買い物から最小ステップで通過できるような仕組みを導入することを推奨します。

一方で、折角全お買い物ステップを無事に通っても、銀行振込み等後払いの決済方法については別途後払い対策が必要となります。考えられる対策を施す必要があります。代表的なものからいいますと、1.お買い物完了画面での「まだ注文は完了していません、今直ぐお支払いを」などという警告メッセージ、注文完了メールでの警告、更には在庫保持期間終了前日の支払い催促メール等です。また貴社のコールセンターからの直接の電話も効果的です。折角売ったものを逃すというのは、そのステップに行くまでに投下したマーケティング費用等を考えると非常に痛手となりますので、最後の一手を緩めないように、お客様に迷惑を与えない程度に厳格な対策が必要となります。

最後になりますが購入完了後、再度「お買い物を続ける」等と称して次の購入へ誘導するというな施策も単純ですが再購入を促す効果がありますので徹底して対策しましょう。

次回は商品ページと商品について記載します。

2013年3月17日日曜日

オンラインショッピングのメールマガジンKPI - 連載第4回


前回の続きのオンラインショッピングの無料トラフィックについて考えてみます。今回はその中でも最も重要なメールマガジンについて詳細を検討してみましょう。


4.内部メルマガ
なんだメルマガか、と見過ごされがちなマーケティングチャンネルですが、こちらは未だに非常に重要なチャンネルです。先に外部メルマガを説明しましたが、当然外部メルマガは有料トラフィックであり、配信数毎、クリック毎、販売毎に等、業者により違いますが何らかの対価を貴社は業者に支払うことになります。しかし、一方でこの内部メルマガは配信毎に課金をされない、いわば唯一自分でコントロールできる魔法のようなマーケティングツールとなります。(もちろん配信用に外部サービスを使っていれば、配信毎に課金をされることになりますが、外部メルマガに比べると比較にならない程安価な投資となります)従い、先ずやらないといけないのはメルマガ会員の獲得です。貴社のサイト随所にメルマガ申し込み画面を付けるのはもちろん、メルマガ申し込み専用画面も作りこみましょう。そこには過去のメルマガのサンプルなどを併設して置いておくと効果的です。Cookieを操作して、初回ビジターには必ずメルマガ登録のライトボックスをポップアップさせるのも有効です。また、Javascriptを駆使して、ブラウザーの一番下に動的にフロートして表示されるライトボックスも最近は人気です。もし、貴社システムでクーポンを作成できるのであれば、登録に対してクーポンを発行してもいいでしょう。発行金額は先に説明したCPOや顧客の生涯価値などで決定しますが、顧客にとっても十分魅力的な金額である必要があります。
メールマーケティングは既に10年以上の実績があり、他のメディアが成長してきている中で、現在でもダントツの効率的なメディアとして君臨しています。貴社の数少ない顧客との接点として、会社のマーケティング方針と合致したコンテンツを購読者に届けるようにしましょう。このメールマーケティングの唯一の欠点は、効果的なだけに多くの業者がメールマーケティングを実施しており、非常に多くのメールがインターネット上を行き来しています。それに伴い、メールオペレーターや、インターネットサービス・プロバイダーにスパム判定をされることも多くなって来ています。一度スパム判定されるとユーザーの受信箱に届けるのは至難の業となります。従い、ここは必要投資と考えメール配信率アップのコンサルティングを頼む等、しっかりと配信されるよう投資をしていく必要があります。届かないメールは送っていないのと同じであることを忘れないようにしましょう。

メールマガジンは非常に重要なマーケティングツールだということをご理解頂いたので、ここでは、メールマガジンのKPIについて考えてみます。後ほど顧客クラスターの重要性については別途説明しますが、ここではメールマガジンそのものの管理に必要なKPIについて説明します。メールマガジンのパフォーマンスは下記の公式によりトラック可能です。

「メールマガジン経由の売上」=「配信数」x「配達率」x「開封率」x「クリックスルー率」x「転換率」x「単価」

このように書くと非常に難解ですが、それぞれはさほど難しくありません。順番にみていきます。


配信数
先ずは如何に大きなユーザーベースを持っているかが勝負になります。ビジネスを始めたばかりの時期は如何にユーザーのメールアドレスを獲得するかに注力しましょう。先ずは貴社が何者かを分かってもらわないといけないため、ブログやツイッター、フェイスブックなどを活用し情報を発信します。次に貴社のサイトの特設ページでいかに貴社のメールマガジンが楽しくユーザーにベネフィットがあるかを訴求します。トップページはもちろんあらゆる箇所にメルマガ登録ボックスを設置します。また、cookieを管理できる技術力があるなら、cookieのない新規ユーザーにはメルマガ登録のライトボックスを強制表示し入会を促すのも効果的です。その際、更にクーポンを追加すると効果は上がります。この獲得したベースを毎日既存ベースに追加していきます。実はこの配信数は次の配達率に非常に関係してきます。やみくもに質の悪いメールアドレスを増やすとスパム業者として扱われ取り返しがつかなくなりますので配達率をモニターしながら推進します。


配達率
持っているメールアドレス全てにメールを配達することは通常出来ません。このように書くと、自分のメールが届かなかったことなどほとんど無いよとおっしゃる方も多いと思います。しかしながら、貴社がサードパーティのメール配信業者を利用している場合はさほど気にする必要はありませんが、自社で送信する場合は毎日1万通を超えたあたりから注意が必要です。貴社のビジネス規模が拡大するにつれて大量のメールを送るようになると思いますが、大量のメールを送る企業をインターネット・プロバイダーやGmail、Hotmailなどのメールサービスプロバイダーは嫌います。嫌うというと語弊がありますが、大量に送れば当然受け取りたくない人々の数が増えます。数が増えると当然プロバイダーは注意して観察を始め、ある一定の閾値を超えると、そのそも貴社からのメールを受け取らないか、受け取ってもユーザーのスパムボックス(ゴミ箱)に届けるということを始めます。特にユーザーはプライベートで使うサービスに会社のメールアドレスは使わずに、GmailやHotmailなどを使う傾向があります。そういうユーザーが多い、Gmail、Hotmailも扱いに慣れており、いとも簡単にスパムトラップに引っかかってしまうでしょう。先述のようにメール配信率改善コンサルに頼むのもありですし、またしっかりとセグメントをして配信していくことで、ユーザーとの関連性があがり開封率の向上も期待出来ます。いずれにせよ本件は会社の成長と共に必ず直面しないといけない問題ですので、地道に取り組みましょう。


開封率
届けることができたら今度は開封してもらえるかが課題となります。開封率の多くはメールの件名に依存しています。件名にユーザーの名前を記載したり、直近の購入などユーザーの過去のアクションに起因した件名を記載すると開封率が上がります。送料無料や激安、○○円獲得しました!、的なオファー色が強いメールはプロバイダーによってスパム判定される確度も上がりますので、結果を見ながら慎重に適用します。ここでもやはり強いのはクーポンです。新鮮味が薄れない程度にクーポンを織り交ぜながら配信していきます。開封されないメールは配信されていないのと同じです。配達率を改善する業者にいくら高いお金を払っても、メールのコンテンツそのものに魅力がないと全くのお金の無駄遣いになりますので、チームを作ってしっかりとフォローアップしましょう。

クリックスルー率
やっとの思いでユーザーのメールボックスに到着し開けてもらったとしてもクリックして、貴社のサイトに来てもらわないと意味がありません。従い、何クリックされるか、何人のユーザーを本サイトに運んだかが重要な指標となります。ここでのクリックスルー率の計算方法は、総クリック数÷総オープン数でよいでしょう。ユニークをカウントしたりいろいろな方法がありますが、トレンドを把握するだけなので簡単な方法で十分です。昨日のメールより今日のメールのクリック数がなぜ悪いのか、それはオファーが魅力的でなかったのか、それとも送るユーザーベースを間違ったのか、それともそもそも配信されていないのか、開いていないのか毎日分析とフィードバックの時間を設けて改善しましょう。


転換率と単価
本サイトに来てからのKPIは通常のKPIと同じになります。そのメールマガジンからいくらのクリックを受け取り、何件の注文に結びついたのか、その転換率(CVR)と単価を毎日トラックします。この内部ベースへのメールマガジンは他のマーケティングチャンネルと比較してパフォーマンスを測るべきものですので、簡単な比較表を作成して管理します。マーケティングチャンネルにはお金を払っていますが、この内部メールマガジンには払っていないので、先ずはユーザーベースの拡大に伴う、クリック数を増やす努力と、それ経由でタイムリーにユーザーの欲求にあったものを配信するきめ細かい配信コンテンツ管理で、将来的には最大のマーケティングチャンネルにすることが当座の目標となります。


コンテンツ
最後にメールマガジンのコンテンツについて考えてみます。皆さんも多くのメールマガジンを受信されていると思います。貴社のマーケティングチーム、編成チームに必要なのは、競合を含めた売れているオンラインショップのメルマガを毎日受け取り、何がトレンドなのかを理解することです。商品そのもののピックアップに気づきがあるかもしれませんし、レイアウト、配色等デザインに気づきがあるかもしれません。また、最近アメリカのベンチャー等で流行っているのは、少々砕けた会話形式でメールマガジンを送ることもよく実施されています。貴社のブランディング戦略もあるでしょうから、全てを真似るわけにはいかないとは思いますが、是非参考になる部分は吸収させてもらい、よりよいコンテンツを提供できるようにしていきましょう。

2013年3月10日日曜日

オンラインショッピングの無料トラフィックKPI・SEO - 連載第3回


オンラインショッピングの無料トラフィックの種類
本日はNon paidトラフィクについて考えてみます。

Non paid即ち、無料トラフィックの事ですが大きく分けて次の4点となります。1.オーガニックサーチ、2.ダイレクトアクセス、3.リファラー、4.内部メルマガ(内部メルマガについては別途次週に詳細をお伝えします。)

1.オーガニックサーチ
同じGoogleからのクリックでも有料広告であるSEMでは例えば1クリック30円払う一方、このオーガニックサーチでは無料、0円です。従い、無料オーガニックトラフィックを増加させるアクションは貴社の経営方針の中でも最も大きな力を入れるべき項目となります。このオーガニックサーチを増やす努力は一般的ににSEO(Search Engine Optimization)と呼ばれ、こちらもそれだけで1冊の本になり、また巷にSEOコンサルタントが溢れていることからも、誰もが注目をして行動しているアクティビティです。一方で結果を出せている企業はごくわずかです。SEMと同じで競合が激しく検索上位に出ることは日に日に難しくなってきております。
先ずはそもそもSEOの努力として何をしていかないといけないかを考えてみましょう。SEOというと多くの方が何か裏道や魔法があるのではないかと期待するのですが、実はそのようなものはなく、Googleが指定するフォーマットに従い、Googleが要求することを地道に忠実にやることが最重要な取り組みとなります。従いもし貴方がSEOの担当であれば下記のGoogleからの公式ドキュメントが毎日目を通すべき必須の記事となります。

Official google blog for general information
http://googleblog.blogspot.com/
Official google blog for webmaster
http://googlewebmastercentral.blogspot.com/

簡単に説明します。

基本編
ページのタイトルをタイトルタグにしっかり記載する。特にこの部分はサーチ結果に出るので、貴社が例えば携帯のオンラインショップであれば一目でそうだと分かる店舗名を含むページ名にします。

次に、Descriptionメタタグに該当ページの詳細な説明を記載します。ここで重要なのは各ページごとに違うDescriptionを記載することです。そのことによりGoogleがよりユーザーフレンドリーなサイトであると認識します。

URLに関しても、ドメイン配下の各コンテキストを機械的に付けるのではなく、ユーザーが見て何のコンテンツか分かるように命名することがよりSEOフレンドリーとなります。これはGoogleが判断すると同時に、サーチ結果にURLとして表示されるのでユーザーの潜在意識に訴えるという心理的な効果も期待出来ます。

また、サイト自体を階層構造にして、ユーザーがナビゲートするのに困らないようにすることも重要となります。そしてその構造のXMLサイトマップをGoogle指定のフォーマットで作成します。XMLというと難しそうに聞こえますが、こちらもGoogle指定のフォーマットで記載するだけですので少々の手間は惜しまず必ず作成してGoogleにWebmaster tool経由で送付しましょう。XMLはGoogleが機械的にサイト構造を理解するためのものですが、同時にユーザーが視覚的に理解できるHTMLサイトマップを置くことも重要な要素となります。

更には、各ページへのリンクアンカーを置く際にも、「次へ」的な機械的な表現ではなく、「ロレックス特集を更に見る」的なリンク自体に意味があるように構築することも重要です。また同時に分かっていながらなかなか出来ていない取り組みに、イメージのAltにしっかりとテキストを挿入することもSEOフレンドリーな施策となります。

HTMLそのものに関しては、H1タグが最上位の階層に位置するHeading Tagですので、デザインの都合などで複数のH1を使ったり、H2にページの重要な説明やキーワードが配置されないよう気をつけましょう。

重要な点は各ページごとに上位表示を狙うキーワードを一つだけ選定し、それに即したコンテンツを記載することです。非常に工数のかかる手作業となりますが、結局しっかりと人間の頭で考えて作られたページが最終的にGoogleのSEO的にも有効なようにできているということです。SEOに王道はないと考え地道にコンテンツの増強を心がけましょう。

2.ダイレクトアクセス
ダイレクトアクセルは貴社サイトの媒体価値の指標の一つとなります。即ち貴社ブランド浸透度の目安です。ダイレクトアクセスを増やすことを考える上で重要なのは、いかにしぶとく機会がある毎にトップページへの導線を用意するかということです。ユーザーが貴社のトップサイトを見る回数が上がる度に、貴社のブランドランクを上げるチャンスが上がっていると考えて良いでしょう。貴社のコニュニケーションの基本であるEmailや、ランディングページ、お買い物完了画面など、あらゆる場所に貴社のロゴを露出し、ユーザーの潜在意識に訴えると共に、実質的なクリックを取っていきましょう。
ダイレクトアクセスにはブラウザーにURL直打ちするユーザー、ブラウザーにブックマークしたところからやってくるユーザーなどが考えられます。
同じく媒体価値を測る指標としては、トップページのページビュー数も重要な指標となります。また、SEMやSEOの貴社名関連のキーワードが含まれる事になると思いますが、これらのキーワードは実際にはダイレクトアクセスと同じブランド浸透度の指標となりますので、各パフォーマンスを測る際に通常キーワードとは別に管理することを推奨します。

3.リファラー
貴社のサイトへリンクされているリンク元のアクセスの総数を指します。リンクがされればされるほどSEO効果があると同時に、実際にそのサイトから訪問者をもらえるので、こちらも非常に重要な取り組みの一つとなります。リンク元を増やしてもらうために先ず有効なのがPR(プレスリリース)です。プレスリリースをすることでオンラインメディアに取り上げられることにもなり、それを見たブロガーなどの転載も期待できます。このPR回数はしっかりとKPI化して、定期的にメディアが見て魅力的なトピックを作り出しましょう。オンラインショッピングでいうと、新製品はもちろんのこと、既存商品でもターゲットや切り口を変えて、「そういう使い方があったのか!」的なPRも有用でしょう。PRの結果は掲載メディア数、更にできれば広告換算価値によってパフォーマンスを確認することが可能です。

2013年3月2日土曜日

オンラインショッピングの有料広告KPI - 連載第2回




本日はオンラインショッピングで使う広告媒体、各メディアの特徴を考えてみましょう。

・SEM - 予算の管理が簡単かつ検索している=興味を持っているユーザーを連れてこれるため、現時点では最も効率のよいオンラインマーケティングチャンネルといえます。但し貴社の扱う商品によっては競合が激しく、1クリックあたりの単価が非常に高額になる可能性があります。その場合は複合キーワードを作成するなどして単価を下げる必要がありますが、比例してクリック数も下がるため手作業での多くの作業が発生します。選任をつけるか、エージェンシーに頼む等、貴社の予算に合わせた戦略的な取り組みが必要でしょう。また、Googleの指定するクリック後の離脱率を基本とするクオリティスコアを維持する必要があり、これを改善するためには中長期的な取り組みが必要です。従い、単発で明日だけトラフィックを送りたいというような需要には不向きといえます。

・ディスプレイ広告 - Google Display Networkに代表されるディスプレイ広告のことを指します。非常に低単価でクリックを稼げる可能性がある一方、商品が買いたくて検索をしたユーザーではない「たまたま」ユーザーを運んでくる可能性が高く、必然的に離脱率は高く、転換率は低いといわれます。とはいえ買い物関連コンテンツを特定ジャンルのブログに出す等のカスタマイズ設定ができるため、貴社のキャンペーンのパターンに合わせてトライしてみる価値はあります。また、インプレッションは稼げるためブランディングに有効という見方もできます。但し、少額の予算でのブランディングはできないため手元資金に余裕があるときのオプションの一つとして検討するのが良いでしょう。


・ポータルバナー - オンラインショッピングを開始した店舗が広告と聞いて先ず思い浮かべるのがこの種のポータルバナーです。何故なら彼ら自信がよく見るからです。一方で、投資効果的に見ると最も効率の悪い広告ともいえます。にも関わらず何故大手オンラインショッピング業者は広告を出し続けるのでしょうか。理由のひとつには、彼らは既に大きく知名度もありあとはいかにシェアを伸ばしていくかという段階に入っているからといえます。もしくは最初から投資家からたくさんの資金調達を済ませ、いかにお金を使って数字を伸ばすかというビジネスモデルを組んでいるかもしれません。逆に言うと知名度も資金的余裕もない中小企業がバナーを購入しても継続することはできないので効果を見込むことはほとんどできません。月間月1000万円のマーケティング資金があり500万円はバナーにまわしてもよいという規模以下の場合は、こちらも手元資金に余裕があるときのオプションの一つとして検討した方がいいでしょう。


・外部メルマガ - 単発でトラフィックを送りやすいメディアの一つです。但し、メールアドレス保有業者の限界に貴社のマーケティングの限界が同期するため、スケールしにくいマーケティング手段です。メルマガの一部買取と全部買取の二種類がありますが業者を複数使用し比較しながら貴社に最適なパートナーを見つけることを推奨します。また業者によって課金体系が違い、配信数課金、クリック課金、コンバージョン課金と複数の方法があります。業者にとって有利なのは配信数課金で、広告主に有利なのはコンバージョン課金ですが、いずれにせよ転換しなければ意味がないので複数のオプションを数ヶ月テスト運用し最適なパートナーを決める事が重要となります。

・リードジェネレーション - 毎回外部のメルアドを買っていると、もし自社でメールアドレスをもっと保有すれば更に低コストでメールマガジンを送ることができるのにと思い始めるに違いありません。それに対してのソリューションの一つがリードジェネレーションです。リードジェネレーションとは2000年前半にアメリカで流行った広告手法のひとつで、広告業者は自社のランディングページを作成し、そこに自社の力でトラフィックを運び、そのうち何人がユーザー登録をしたかという指標で課金、請求される仕組みです。即ち、契約にもよりますが、10,000ユーザーを30万円で獲得して欲しいと要求すると、リードジェネレーション業者はあらゆる手段を駆使して10,000ユーザーを貴社のために獲得してくれます。一見有用な広告手段ですが、彼らが集めてきたユーザーの質をチェックしながら進める必要があり、それを怠るとお金を払ったが結果スパムメールアドレスばかりを集められ、自社のメール配信率に影響が出るなどという本末転倒な結果になりかねません。

・リターゲティング
一度貴社のサイトを訪れたユーザーにタグをつけて、そのユーザーがリターゲティング会社の持つネットワーク先のサイトを訪れた際に貴社のバナーを表示するテクノロジー全般を指します。一般的に一度ユーザーが訪れた後、再度そのバナーを見て貴社のサイトを訪問した場合ユーザーのエンゲージメント(関与関数)は高いといわれ、その結果コンバージョン(転換率)が上昇すると言われます。従い転換率だけ見るとリターゲティングの転換率は際立って優秀な結果となります。一方で、それを分かっている広告業者が運営しているわけですから、クリックあたりの単価を高く請求しています。結果として必ずしもROIが優秀なメディアになるとは限りません。このメディアも他のメディアと同じく継続したチューニングが必要で、ある程度のバランスが取れるまでは出費をすることとなり、バランスがとれた後も御社のROI、CPOターゲットに合致しているか絶えず確認する必要があります。


・アフィリエイト
アフィリエイトとはアフィリエイトネットワークを持つアフィリエイト業者が広告主である貴社を含めたアドバタイザーと、広告掲載サイト保有者であるパブリッシャーを結びつけ、CPA(Cost per Action)で課金するるサービスを提供しているものを指します。広告主はアピールしたい広告をパブリッシャー指定のフォーマットで提供し、パブリッシャーは数多くある広告の中から彼らが最も転換すると思いかつ、コミッション料率の高い広告をピックアップすることになります。アフィリエイトは最も効率のよい広告媒体と一般的には捉えられていますが、記載しました通りパブリッシャーの判断に大きな部分が委ねられているため、結局は貴社自信と貴社の提供できる料率をパブリッシャーにPRする必要があります。これは通常ブランド力の高い企業が強く、中小企業には厳しい競争となります。従い、一般的に言われている程、アフィリエイトマーケティングは容易ではなく、もし貴社が何らかの大型モールなどに出店して、その大手のブランド力を借りられるのであれば、有用なマーケティングチャンネルとなるでしょう。さもなければ、こちらも地道にプロモーションとチューニングを継続していく必要があります。


・Facebook広告
Facebook広告はオンラインショッピングに使えるかという議論がここ最近の話題とも言えるでしょう。結論からいいますと使いようによっては使えるといえます。Facebookをどういうメディアとして捉えるかにより貴社のFacebook対策は変わってきます。筆者の経験からいいますと、Facebookを中間メディアとして捉えたところがうまくFacebookを活用できているように見受けられますので、この中間メディアの媒体としての使い方を説明します。そもそも中間メディアとはなんでしょうか。Google Adwordsに代表されるSEMは商品を欲しいユーザーを運んでくるメディアといえます。対してFacebookはまだモノが欲しいと決まっているわけではないユーザーが、製造元や販売企業とコミュニケーションを取る場と考えられます。従い、対Facebookのメディア対策としては、1.Fanの数を増やし潜在顧客にアプローチする、2.ファンページ内でのコミュニケーションを活性化させ、彼らにとっての貴社をブランディングさせる、3.貴社の真のファンユーザーを本当にいいディールの時のみ本サイトに誘導する、という構成になるでしょう。従い第一の目的はユーザーをファンページに誘導しファンになってもらうことになります。FacebookはCPCでの広告を提供していますので、先ずは10万ファンを目指して自社の対象セグメントに使いユーザーをターゲットに投資をしていきます。1ファンあたり10円程度で獲得できるのではないでしょうか。この10円という金額は自社サイトにユーザーを誘導するのに比べて非常に安いですが、転換するためには更に自社サイトを経由してもらわないといけないので非常に手間がかかります。しかしこのファンサイトは購入者になる前のユーザーを囲える魅力的な場所ですので、メルマガと同様に捉えて、ファンの数の向上とコミュニケーションの質の向上を目標に取り組んでいきます。コミュニケーションの種類は貴社の販売する商品によりますが、ディスカバリーショッピング的な何か新しいものを発信する方式であったり、ファンにだけ提供する驚異的に安いオファーといった方式も考えられるでしょう。貴社のブランド戦略に合ったFacebookコミュニケーションが必要となります。



では一体どの広告を選べばいいの?
上記の他にもテレビなどの旧メディアもありますし、新聞やビルボードなどのオフライン広告もあるでしょう。そのような多数のメディアの中から何を基準に貴社は広告を選べばいいでしょう。答えは意外に簡単で、貴社が何のために広告を出しているのかという基本を考えることで解決できます。

オンラインショッピング企業が広告を買っているのは、商品を売るためだと一般的に思われていますが、それではその企業は永遠に黒字になりません。オンラインショッピング企業が大金をはたいて広告を出すのは、目の前の商品を売るのではなく、将来顧客を獲得するために広告を出しているのです。どういう事か考えてみましょう。

オンラインショッピング事業を運営する上で最も重要な指標の一つとなるのがCPOです。CPOとはCost per Orderの略で、いくら外部メディアに投資をしてその注文を取ってきたかという指標となります。即ち10000円を投資して、50注文を取ってきた場合のCPOは200円となります。この際の貴社の平均単価が10000円、利益率が10%とすると、単純計算で(利益)-(一回顧客を外部から取ってくるコスト)=800円の最終利益となります。逆に考えるとあと800円はメディアに投資しても彼らがリピートしてくれれば元は取れることになります。

従い、オンラインショッピングで重要なのは1.自社製品の利益率を確保すること、2.それに見合ったメディア計画を立て集客すること、3.一度集客したユーザーをリピートさせることとなります。ご理解頂けましたでしょうか。上記は単純な計算で且つ理想的な状況ですが、通常はCPOはそんなに安くならず、利益率もさほど確保できないという厳しい状況になると思います。これは貴社が選んだマーケットがそういう過酷な競争のものだということです。その事実を認識し、その中でいかに勝ち抜いていくかを考えるこで勝機が見えてくるはずです。CPOに関しては最適な商品とメディアの組み合わせを絶えず探求し、利益率に関しては卸との交渉はもちろん、利益率の低い型番商品で集客し利益率の高い自社ブランドのリピート商材で儲けるなど、包括的な勝つ戦略が必要となります。

オンラインマーケティングに関してはこの題目だけで一冊の本が書けるので一旦この程度にしておき、次回はもう一つのVisitorの柱であるNon paidトラフィックについて考えてみましょう。

2013年2月25日月曜日

オンラインショッピングのKPI - 連載第1回


本新連載、オンラインショッピングのKPIではオンラインショッピングに必要な重要なKPIについて順番に考えることにより日常のKPI管理がどのように推進されるのかを検討してみます。

売っている商品、地域、国や少々の形態は違えどオンラインショッピング自体は既にコモディティの領域に入っており、それを科学的に分析し改善していくという活動もまたユニバーサルなものになってきています。しかし、実際にオンラインショップを運営している店舗のオーナーの多くがまだほの科学的な分析を店舗の売上向上につなげるに至っていないのは残念な現状です。本連載ではそのような店舗オーナーはもちろんのこと、大規模なサイトを運営する企業の担当者まで幅広くカバーできるように構成されています。是非とも本連載をオンラインショップ運営の心強いパートナーとして業務の傍らに置いて参考にしてもらえると幸いです。

先ず最初にオンラインショッピングの黄金公式は下記になります。

「売上」=「訪問者数」x「転換率」x「購買単価」

これに何人がリピートしているかという指標である「リピート率」を足した4つのKPIが最重要KPIで、これを構成する複数の要素をコントロールする事で売上の向上活動が実施できます。順番に詳細をみていきましょう。

訪問客数 Visitor
Visitor(ポテンシャルのあるお客様の数、以後「トラッフィク」と表記)は自社のサイトに何人を呼び込めたかという指標となります。小売店に例えるとそもそも集客しなければ店が始まらないのと同じで、最も重要な指標となります。Visitorにはお金を払って呼んでくるPaid visitorとSEOやダイレクトなどお金を払わずに呼んでくるNon paid visitorに分けられます。この指標は非常に重要なだけに、全てを説明するには膨大な情報が必要となりますが、ここではエッセンスのみを順次説明致します。

有料トラフィック Paid visits
お金のある分トラフィックを呼んでこれるという意味では非常に分かりやすい指標となりますが、効率的に管理するには非常な工数と高度なコントロールが必要となります。先ず貴社はどのような方法でトラフィックを呼んできたいのかを明確にします。大きく分けるとSEMと言われる、サーチエンジンマーケティング、外部のメルマガ、価格比較サイト、ブログなどからトラフィックをもらうアフィリエイトマーケティング、Googleなどに代表されるディスプレイネットワーク、一度訪問したユーザーにディスプレイを表示するリターゲティング広告などがあるでしょう。
メディアによってパフォーマンスの測り方は違いますが、大まかに捉えると下記の指標をトラックする必要があります。

・CPC Cost per click - クリックあたりの単価となりいかに1クリックを呼んでくるかが重要なため常に非常に重要なKPIとなります。もちろんCPCを低くすることは重要ですが、SEMなどをやっている場合は、人気のあるキーワードを安いCPCで取得する事はほぼ不可能になっております。従い、SEMでCPCを低く設定しようとすれば、複合キーワードを利用することになります。当然、クリックの総数は減りますので、1クリックにどこまで投資できるかと、何クリック必要なのかのバランス取る必要が出てきます。また一方でいくら高いCPCを払ったとしても、ランディングページでのコンバージョンレートが例えば10%であるとすると、1%のページよりも10倍のクリック単価を払うことが出来るとも言えます。全てが最終的なトランザクションとしてのパフォーマンスを測られますので、マーケティングチャンネル毎の統一したパフォーマンスの比較は貴社の業績を上げる上で非常に重要となります。


・Clicks - いくらで1クリックを持ってくるかがCPCと説明しましたが、当然その結果持って来られるクリック数も重要なKPIとなります。SEMなどをしていて必ず突き当たるのが上述しました通り、CPCを上げずにどれだけクリック数を増やせるかという壁です。簡単な方法はないですが、いかに組み合わせキーワードを効率的に大量に作成し、それを短期間のモニタリングで継続か否かを決めるという、労働集約型の努力が必要となります。

・CVR - Conversion rate、転換率ともいいます。何故マーケティングチャンネル毎のCVRが重要かといいますと、貴社のオンラインショッピングを成功させるためのオンラインマーケティングのパフォーマンスを測るためにはオンラインマーケティングチャンネル毎のパフォーマンスを測る必要があります。CPCが安いチャンネルを使うのは効率的に見えますが、転換しなければ意味がありません。最終的にはどのチャンネルが最も安くトラフィックを運び、最も転換するかを見極める事がオンラインマーケティングの真髄であり、唯一の勝利の方程式となります。

・Revenue - 上記と同じ理由で、最終的にどのマーケティングチャンネルがいくらの売上を作っているのかを見る意味で、チャンネル毎の売上は必須の結果KPIとなります。

ROI - CPCがクリック単価のパフォーマンスを見る指標ですが、オンライン小売業としてはいったいいくら儲かっているのかという指標が重要となりますので、ROI(Return on Investment)も重要な指標となります。ROIの測り方はいろいろあるのですが、通常利益率は利益÷売上のパーセンテージで見ると思いますので、それと呼応した形で計算できる投資コスト÷売上のパーセンテージをROIとして設定することを推奨します。

・CPO - Cost per order こちらも非常に重要な指標となりますが、このコンセプトを理解するにはオンラインショッピングのKPIを全て理解する必要がありますので、ここではユーザー獲得にいくらを投資したかという意味で理解して下さい。もちろんかけたお金が安いほうがよく、上記のKPI全てを都合よく満たした上で、更にこのCPOも将来そのユーザーが平均的に計算して貴社にもたらす利益以下の水準で推移する必要があります。

2013年1月17日木曜日

KPI管理の評価方法


KPI管理を導入したというと、見栄えのするダッシュボードを自慢げに見せてくれる経営者も少なくありません。本日はKPI管理の評価に関して重要なポイントを考えてみます。
まず最初に考えなければならないのは、そもそもそのKPIは会社の究極的な目標に沿ったKPIなのかということです。会社の業績にリンクしない指標を追っていても意味がありません。KPIは一度設定したら終わりというものではなく、企業の成長と共に変化して行くべきものです。必ず定期的にチェックする仕組みを作りましょう。
次に、問題を正確に認識する必要があります。KPI管理を実施するメリットは各KPIの異変にすぐ気づく事ですが、その異変が起こった真の原因を正確に調査し把握するトレーニングを重ね、異変がある度に真因を突き止められるようにしておきましょう。
そして最後に、問題に対処するスピードが重要になります。年度予算でいうと初月に10%予算を外したとします。ここで、「まだ初月だし頑張れば何とかなるだろう」と思うか、「まずい、初月から外してしまった何がまずかったのか分析して対策を施そう」と思うのかでは年度末の達成率が大きく違ってくるのは当然です。しかしながら皆さんには是非この問題対処のアクションをデイリーベースで実施してもらいたいと思います。KPI管理の極意はデイリーでのトラッキングであり、デイリーで勝ち負けが出る以上、実績の出せるリーダーはデイリーでのアクションを要求していくことになります。是非トライしてみてください。

2013年1月13日日曜日

KPI管理にはやり切る力が必要です


実行時のジレンマとして根強く存在するのが現場の「どうせやっても変わらない」とい気持ちだと思います。長年慣れ親しんだ環境を変えるのは大きなストレスとして従業員にのしかかります。日本人に限らずどこの国でも同じで、各人がしっかりと納得し腹落ちした状態でないと、増してや組織として動き出し様がありません。KPI管理を推進する側からすると、しっかりと各個人にKPI管理の有用性を理解してもらうことが最重要の課題です。とはいえ、折角理解して導入に漕ぎつけたKPI管理も成果が出ないと直ぐに諦められてしまいます。
長年数々の現場を見てきて、KPI管理が成功する現場と、失敗する現場には一つの共通する特徴がある事に気づきました。「やり切る力」(Get things done spirit)があるかないかです。結局のところ会社組織の強さとはその上に立つリーダーの強い統率力であり、彼らの思想をどれほど強力に現場にまで理解させ、従業員に一人一人を同じ方向に向けさすかということだと言えます。再三指摘させて頂いていますように、KPI管理の成否もリーダーの徹底力にかかっていると言えるでしょう。
ではこの徹底力を上げるにはどの様にすればいいのでしょうか?皆さんは工場経営などによく使われる5Sという活動をご存知でしょうか?5Sとは、整理、整頓、清潔、清掃、躾の5つの頭文字を取っており、基本こそが大切だという活動のことです。この5Sが必ずしも万能というわけではないですが、何らかのこれに近しい基本理念、従業員の業務に対するあり方を説いたものがある会社が実績を残しているし、KPI管理の土壌がすでにあるとも言えます。
一時が万事ととらえ、細かい事も、もしくは細かいことこそしっかりやり切る土壌を作ることがKPI管理の成功の秘訣となります。