ビジネスを加速せよ

この激しい競争時代を勝ち抜くには己を知ること、管理できること

KPIツールの決定版KPI Master2

業務の改善のために必要かつ十分な機能をクラウドで提供

三種の神器を使いこなせ

業績アップの三種の神器KPIシート、業務フロー、アクションリストを使いこなすこと

改善サイクルと実行力が勝負を決める

今日他社よりも早く改善をできるかが明日の勝負を決める

情報は共有されているか

いくら苦労をしてアップデートしているKPIシートも共有されていないと意味はない、貴社では全従業員に情報アクセスを提供しているか

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2012年12月31日月曜日

何故KPI管理は浸透しないのか

本日は何故KPI管理の重要性が叫ばれている中一方でKPI管理が浸透しないのかについて考えてみたいと思います。

KPI管理というとオペレーション的な要素ばかりに気を取られがちで、実際経営陣からはなかなか現場に根付かないという言葉をよく聞きます。しかし、そもそもの原因をたどってみると実現不可能な目標が設定されているために現場のヤル気がでないという事象が往々に起こっています。すなわち、経営陣は今年は100億売るぞ!と意気込んでいる一方で昨年の売上が10億に遠く及ばない場合どうでしょうか?この現実感、実現可能感の欠如が現場の士気を下げて、KPI管理そのものの形骸化を生んでいる可能性が非常に高いと考えられます。

とはいえ、目標は落とせないという経営陣がほとんどでしょう。ならば、どのような手順でそこにたどるつくのかというアイデアとそれに伴うアクションをしっかりと準備する必要があります。その「イメージ」がビジュアルに現場の担当者に落ちて初めて現場でも「実現可能」な目標としてとらえそれを目指して頑張ろうというモチベーションが発生します。

このように、KPI管理とはビジネスそのものの生きた活動が動かすオペレーションともいえますので、経営陣自らが率先して全社の活動として取り組む必要があります。


本年もお世話になりました。
来年新春にははいよいよ待望のKPI管理ツール、KPI Master2のリリースを予定しております。KPI Master2はITソリューションいらずのターンキーKPI管理ツールです。弊社の考えるKPIで勝つ企業の思想を反映した優れたツールですので、より多くの成功する企業様にご利用頂きたいと願っております。


来年もよろしくお願い申し上げます。
2012年12月31日

2012年12月30日日曜日

業務改善と真因

KPI管理の目的の一つが業務改善となります。業務改善の基本は現在の業務フローを作成(As is base)し、ありたい姿の業務フロー(To be base)との比較をし、そのギャップを分析するという方法です。

例えば契約締結までのリードタイムをKPIとして設定したとします。As is baseでは20日かかっているものをTo be baseでは7日に短縮できると予想し、その業務の中でボトルネックになっているフローを詳細に分析することでフローの改善を目指します。

この改善の際に非常に重要なのは問題の真因にアプローチすることです。真因とはその問題の真の原因のことですが、得てして業務改善は小手先の対応になりがちです。折角KPI管理を導入し業務の見える化がはかれているのですから、問題の解決には時間をかけて取り組みたいものです。往々にして業務改善活動から経営課題が出てくることも珍しくありません。

また業務が滞っているように見えるのは元々の経営計画に無理があったということもあるでしょう。いずれのケースもしっかりと現場の改善活動を支援しつつ、真因を必ず潰すという経営者の覚悟も必要となります。


2012年12月28日金曜日

諦めなければ成功するが諦める

KPI管理というものは工場での5S(整理、整頓、清掃、清潔、躾)活動と同じ性質と考えると分かりやすいでしょう。5S活動の基本理念は決められたことをやる続けるということです。KPIも導入するリーダーが率先してしぶとくやり続けることが成否を分けるポイントとなります。

一方でやり続ければ成功するのにやりきれないのは、成果が直ぐに見えないからです。「手間だけかかるこんなKPI管理をやっている暇があったら顧客向け提案資料を作りたい。」というのが本音でしょう。しかし、KPI管理の真髄は決められたことをやり切る力と組織力です。諦めなければ必ず成果がでますので腰を据えてしっかりと取り組みましょう。

2012年12月26日水曜日

KPI管理の格言

KPIはアメリカが発祥の経営理念・メソッドですので英語で多くの格言があります。

'What gets measured gets done.'

「計測出来る事だけが成し遂げられる」


'If you can't measure you can't manage it.'
「計測できなければ、管理はできない」


以前KPIの3原則で述べましたが、KPIを設定する際には1.計測できて、2.コントロールができて、3.責任者が明確なものである必要があり、必然それができなければKPI導入の目的も達成できません。

今一度貴社のKPIを確認してみて下さい。

2012年12月12日水曜日

KPIと業績評価

一般的に欧米の企業では担当マネージャーのパフォーマンスは明確に彼らの報酬に連動しています。従い欧米の企業のマネージャーはKPI達成に向けて非常に強力なインセンティブが働いているといえます。一方で日本の全方位型マネージャーはKPI以外の事に目を向けられる反面、KPIを協力に推進するというインセンティブに欠ける傾向があります。

従い、企業がKPIを導入し、形骸化を防ぐためにはこの2つのマネージャータイプをしっかりと理解し、KPIを全社単位で検討、設定する必要があります。

経営者としては全社のKPIを共有責任にしたいと思う一方、共有責任にしてしまうと現場では責任が曖昧になるという弱点があります。KPI Trustでは少々の歪が出るのを承知で、KPIは全体共有責任ではなく個別のマネージャーが個別のKPIに責任を持つことを推奨しております。その上で、明確に彼らのパフォーマンス評価をKPIに結び付けるようにします。

逆にいうと、それを実施して文句がでないほど慎重にKPIの分解と設定を、事前にしておくことが必要ということです。KPIのデザインにはじっくりと時間を費やしましょう。

2012年12月10日月曜日

KPI管理体系の整備を開始しました

本サイトの方に本ブログのエッセンスをまとめた「KPI管理体系」というコンテンツの整備を開始しました。完成まで少々時間がかかりますがお時間があればそちらも同時にご確認ください。

KPI管理体系

2012年12月9日日曜日

KPI管理の形骸化をどう防ぐか

KPI管理体型を導入して最も多くの企業が頭を悩ますのがKPIの形骸化です。では形骸化を防ぐためにはどのような施策をうっていけばいいでしょうか?

先ず第一に「会社のゴールを各人に共有すること」です。そもそも何のためにKPIが導入されているのか、会社としてのゴールは何かを明確に説明し、全社員が完全に理解していることが重要です。

次に「警告を発する仕組みを導入すること」です。ともすれば数字を入力してレポートを提出しておけばいいという風潮になりがちですが、しっかりと閾値を設けて、もし閾値を超えることがあれば警告を発し、担当部署、担当者にアクションを取らせることが重要になります。

最後に「人事評価が業績、KPIに連動していること」が重要となります。特に外国ではマネージャーのボーナースをKPIに紐付けることでいかなる手段を行使してでも目標を達成しようとする強いインセンティブが働くことでしょう。一方でそれ故に、社に取り最も重要なKPIを明確に定義することが必要です。

2012年12月7日金曜日

KPI管理日報の徹底

朝のミーティングに続いて重要なのは日報の配信です。理想的な状況は、朝のミーティング前に全ての前日の実績が入力され、その入力された日報を見ながらミーティングをすることです。

ただ部署単位は間に合っても全社単位では間に合わない事も多いと思います。その場合は、ミーティングごでもいいので”必ずコメントを入れて”全社配信しましょう。

単純な話で機会からレポートは必ず読まれなくなります。従い少々時間がかかっても担当者がKPIの変化に対するコメントを入れて、必要なアクションがあれば各チームにフォローアップを依頼します。そのアクションが実行されるまでフォローできるかが結果の善し悪しを左右しますので、抑えの聞く担当を入れてしっかりと実行しましょう。

2012年12月6日木曜日

朝のKPIチームミーティング

以前、毎日最後は実行力、徹底力が勝負の分かれ目だということを記載しましたが、その徹底力を強化する方法の一つが朝のチームミーティングです。朝始業時間になったら先ずはチームごとに集まって昨日のKPI、本日の目標KPIを報告し合います。3分程度の軽いもので問題ありません。

重要なのは各人がKPIを把握していること、そのKPIには結果KPIとプロセスKPIがあること。結果KPIの目標未達成は実はさほど追求する必要はありません。重要なのはプロセスKPIが未達の場合です。メンバーの中にプロセスKPIの目標未達のメンバーがいれば必ず理由を確信し打てる手をその場で打ちましょう。1ヶ月もすれば問題意識をもったチームが出来上がるはずです。

2012年12月4日火曜日

各個人がプロセスKPIを理解していますか?

以前プロセスKPIを紹介してから時間が経ちましたが、貴社でのプロセスKPIの浸透具合はいかがでしょうか?各社員が自分のプロセスKPIを理解しているでしょうか?

ここでおさらいしておきます。プロセスKPIとは結果KPIに結びつくために定量的に各個人がコントロールできるべきKPIとなります。例えば貴社でSEOが大事ただと決めた場合、結果KPIはオーガニック検索からの流入数となるでしょう。ではそのオーガニック検索からの流入を増やすためにSEO担当は日々何を心がけて、何を実行していくべきでしょうか?例えば、キーワード毎のページ作成かもしれませんし、必要なキーワードの収集個数かもしれません。このように、各担当が個人の努力でコントロールできるべきKPIを選び毎日トラックしていくことが、業績向上につながる重要なアクティビティとなるでしょう。

2012年12月1日土曜日

KPIは共有して初めて意味あるものに

よく現場の社員と話をして、あの数字のトラックングを開始して欲しいと依頼すると、それはもうやっていて、ここに保存してあると返答が帰ってくることがあります。

この事象には非常に重要なKPI管理の成功を左右させる要素が入っています。

覚えて頂きたいのが、「KPI管理を自分がやっている」と「共有している」というのは数段階レベルの違いがあることです。また「共有している」と、「理解してもらうよう努力をしている」は更に数レベルの違いがあります。ですので「KPI管理を自分がやっている」と「理解してもらうよう努力をしている」とは、雲泥の違いがあるということです。

従い、KPI管理を成功させる上で最も重要な要素は、情報の教育と、KPI管理の思想の共有ということになります。

貴殿の会社のレベルを一度俯瞰的に調べるところから始めましょう。


2012年11月30日金曜日

KPI管理ダッシュボードの作り方

エクセルで管理は始めたもののどのようなサマリーダッシュボードを作るか悩まれる方が多いようです。必要な要素は下記の7項目です。







先月の
1.KPI目標
2.KPI実績
3.KPIの達成率

今月の
1.KPI目標
2.KPI実績
3.KPIの達成率を現在の日にちに換算したもの
4.成長率


この7項目を設定することで、先月の実績はどうであったのか、先月に対して今月はどうなのか、特に現時点での日付の消費率を計算に入れた達成率に対して勝っているのか負けているのか、先月より成長しているのかを一覧で確認することが可能です。

次回以降それぞれの数値の計算方法をご説明致します。

2012年11月29日木曜日

KPI成長率定義の重要性

KPIを導入してしばらくすると、どの担当者も惰性となってきます。もちろん管理担当のあなたも惰性となりKPIが入力されていることに安堵を覚えてしまうでしょう。しかしそういう状況になったら今一度KPI管理手法を見直す時です。

特にある指標を追っている際に目標をつけたとします。一旦目標水準が達成されれば以後、誰も見ないKPIとなってしまうでしょう。従い、初めから担当者が安堵できないKPIを導入するのがミソです。

その代表KPIが成長率となります。売上を追うにしてもコストを追うにしても絶対値や比率ではいつかは水準に達してしまい安堵してしまいます。しかし、月間成長率や、昨年対比成長率をうまく指標に設定できれば、チームは自然と前月もしくは昨年対比で負けることが許せなくなります。ここまできて自走できればあとはきちんと目標のレビューを毎回することで、自走するチームができあがるでしょう。

2012年11月27日火曜日

KPIの成長率

「香川くん、KPIの中で一番大事なのは何かなあ?」
「はい?やはり結果を見るには売上で、プロセスを見るには訪問数とかでしょうか?」
「そうとも言うね。でもやっぱり一番大切なのは昨日より成長したかだと思う。なので、主要なKPIを抜き出して先週との比較、先月との比較、昨年との比較を実施することが大事なんだ。」
「ほう、」と、生返事な香川に対して草薙は続ける。
「各事業の成長度合いによって、週か月か年を決めるとするだろ。それぞれをWeek on week, Month on month, Year on yearと言うんだ。仮に年次での成長率を指標にするなら、大事な事は必ず昨年の実績を上回ること。事業にとって成長がガソリンで、ガソリンが無いと走ることもできない、つまり事業を持続することができなくなるんだ。」

さて、皆さんの会社でも、草薙のように事業の成長に合わせて成長の指標を決めましょう。成熟したビジネスでならYear on year、成長途上のビジネスならMonth on monthを選択することがベターでしょう。その上で、各主要KPIの年次もしくは月次成長率の一覧表を作成し、その成長率だけのグラフを一部用意すると、会社としての勢いと問題の在り処を明確に知ることができます。

2012年7月25日水曜日

開発部でのKPI選択

毎日徹底という意味では編成部と1,2を争う個性派軍団の開発部。きっとさしたる進捗もないだろうという憂鬱な気持ちを持ちながら草薙は開発部を訪ねた。
「田中部長、おはようございます。その後KPIの導入の方はどうですか?」
「ああ、草薙さん、おはようございます。丁度相談しようと思っていたところです。」
「はあ、といいますと?」
「いや、結局開発部でのKPIというのは難しく時間を記録はしているものの、どうしていいものやら」
「そうですか。以前もお伝えしましたが、先ずは時間を記録すること、その上でその時間が生産活動に利用されているかという指標を設けてみてはどうでしょうか?」
「例えば、会議や資料作成などの間接業務と、コーディングや仕様書作成などの直接業務とに分けてみるとか。そうすることで日々生産性が上がっているかを確認することができます。」
「なるほど、確かにそれは良い案ですね。」
田中はできるかなという顔をしながら頷いた。

この開発部のように、直接的にビジネスのアウトプット指標を左右しない部署のKPI管理は非常に難しいものがあります。今回のケースのように生産性を測るのもひとつの手ですが、人数が少ない場合はむしろ管理しないという選択肢も検討してみましょう。是が非でも計測することが目的ではなく、あくまでも結果数値の向上が目標ですので、必要なものを会社の体力に合わせて取捨選択していきましょう。

また、同時に開発をしなければ向上しないサイトの指標を開発部が追うというのはかんげるべき選択肢です。明日は、そちらについて検討してみます。

2012年7月18日水曜日

編成部の進捗状況

次に草薙は編成部を尋ねた。
「脇坂さん、お疲れ様です。KPIの方はいかがですか?」
「ああどうもどうも、草薙さん。丁度探していたところですよ。」
「どうされました?」
「いや、先日の経営会議でとのかくトラックを開始しろと言われたのでいろいろ考えてみたのですが、どうもしっくりとしたKPIが見つからなくてですね、、実はまだ計測を開始していないのですよ・・。」少々バツが悪そうに話すのを聞き流しながら草薙は答えた。
「脇坂さん、でも分からないとはどういうことですか?ウェブの基本であるページビューや、ビジターといったものから計測を開始すればいいのではないですか?」
「そうなんですけど、草薙さん。トラフィックはマーケティング部が持ってくるか来ないかで大きく結果も変わりますよね。それを編成部だけで見ろと言われてもメンバーが腹落ちしないのですよ。」
「なるほど、でもそういった結果KPIの最たるものはどこが計測しても一緒じゃないですか?先ずは無料トラフィックを編成部、有料トラフィックをマーケティング等に分けてみればいいのではないですか?その上で編成部自身がコントロールできる数字をトラックしていけばいいと思います。」
「例えば、離脱率とか、次のページのクリックスルーとか。最終的には流通なのですが、流通は販売部が追うのでその売り上げの更正要素をトラックするのがいいでしょう。」

結局のところ、現場が理解でき、努力できる範囲のKPIを設定し毎日見る癖を持ってもらうことが重要というのはどの部署でも変わりません。

編成部が行なっているか、マーケティング部が行なっているか会社によって違うかもしれませんが、オンラインショッピングの場合、メールマガジンマーケティングを行なっているとおもいます。これらでどれだけのトラフィックを持ってき、どれだけの流通を上がられるかもしっかりとトラックすべきKPIとなるでしょう。

2012年7月17日火曜日

マーケティング部のKPI決定

「浅井部長こんにちは、その後KPIの方はいかがですか?」
「先週丁度ROIが75%になったところです。効果はでてますね」
「本当ですか、凄いですね!KPIシートを見せてもらえますか?」
「もちろんです。」と、見せてもらったシートをみて草薙は顔が曇ったことがバレないように、「なるほど、なかなかの進捗ですね更に頑張りましょう。」といいながらシートの改善点を探した。
先ずは前組織例外なくトラッキングを開始することが重要ですので、少々数字が悪い等はこの際目をつむります。

マーケティング系で重要なのは、各マーケティングチャンネル毎のパフォーマンスをしっかりと把握することです。金額が大きいだけに大きなKPIだけを追っていては中で何が起こっているか分かりません。特にオンラインショッピングでは最小のコストで最大の売上を作ることがマーケティングの目的となります。そして残念ながら往々にして、マーケティング費用を得られた利益から差し引くと赤字になります。すなわち、マーケティングをしなければ赤字にはなりませんが、全体のモーメンタムを作ることができません。いかに少ない投資で最大限の売上を上がるかに注力するためにも、マーケティングのKPIは重要となります。

参考まで一般的にマーケティング部門では、チャンネル毎に、投資額、コスト、クリック数、コストパークリック、注文件数、転換率、売上、コストパー売上をモニターしていきます。

オンラインショッピングでの重要な指標は有料のトラフィックで得られた売上と、無料のトラフィックで得られた売上の比率となります。KPIをモニターしながら立ち上げ当初は有料トラフィックで売上を上げるものの、徐々に無料トラフィックにシフトしていく戦略を立てましょう。

2012年7月4日水曜日

営業部のKPI決定 2

草薙の提案のように、各個人がひっそりとKPIをトラックするのではなく、全社行事として公開してトラックすることで全社の意識レベルが上がります。営業部のKPI管理は地道にコール件数、コンタクト件数等のプロセスKPIのトラックと、業務リードタイムの短縮化、見込み管理の徹底の3つのメソッドで改善していくことが可能です。注意しないといけないのは、コール件数だけではなくコールのクオリティをチェックしなければ特に若い営業マンは電話の件数を増やすことだけに注力をし本質を失いがちになります。

よって営業部の業績向上には先ずマネージャー自信がこの基本を理解し各指標とプロセスの見える化を率先して推進することが重要となります。日報の仕組みの一つとして各営業担当の数字が吸い上げられる仕組みを作ることまではどこの会社もできていますが、それを全社行事として意識向上を図れている会社は少ないのが実情です。意識レベルを上げるためには、ホワイトボードや壁に張り出すことや、各担当の横並びの情報が俯瞰できるような日報を作成し、印刷して配る、毎朝MTGをして数字の確認をする、目標達成者がでる毎に盛大に祝う等、多数の原始的な方法もあります。CRMで効率的に管理できるのは確かですが、この全社レベルの意識アップには何らかの儀式的な手法が有用なことをコツとして心がけると、KPI管理の意識、精度が飛躍的に上がるでしょう。

2012年6月29日金曜日

営業部のKPI決定 1

実際に数字のトラックが始まった翌週、草薙と香川は営業部を尋ねた。
「大川さん、お久しぶりです。」
「ああ草薙さん、何かいろいろ壁に張り出されましたな。」
そう何事も見える化がを徹底し、従業員の意識を徹底することが重要です。
「本日は先日お伺いした業務フローをまとめたものと改善案をお持ちしました。」
「ほう、それは楽しみですな。」
「では早速香川の方から説明させます。」
「はい、大川さん、こちらが現行の業務フローとなり、営業のクローズまで平均で25営業日かかっています。ここの口頭合意から最終的な必要書類回収までの時間を短縮すれば15営業日でクローズすることが可能ではないかと考えております。」
「ほほう、それは目出度い、そんな簡単にリードタイムを短縮できるのなら是非採用したいね。」
「はい、こちらでオンライン登録と同時に必要書類のトラッキングを開始すれば十分可能と思われます。」
「香川君、簡単にオンライン登録とかいうけどね、それはもう1年も前に弁護士と相談して正式契約書にすることを勧められているんだよ。」
このように自身の保身のためにああ言えばこう言うという問答が続くと思われます。ただ大事なのはリードタイムを短縮すれば生産性が上がり、全新規顧客獲得件数が上がることを認識してもらうことです。粘り強く行きましょう。

ちょっとした議論の後、香川が続ける。
「大川さん、次に必要なのが各営業担当の平均的な時間ごとの業務内容です。先日1日営業の平田さんの横に座らして頂き、平田さんの一日の業務状況を調査させていただきました。結果、有効コール数が40件、有効コールの全ての合計通話時間は4.5時間でした。」
「それで?」大川は明らかに領海侵犯だというような不快そうな顔で返答した。
「いえ、本日は今後この有効コール件数と、総合通話時間をKPIにしたらどうかというご提案をしに来ました。」
草薙はすかさず、「またそれとは別にこれらの数字を壁に張り出し、今月の見込みを毎日変更させていくクセ付けをする必要があります。張り出す際に従業員ごとの競争を促すために各人毎の成績を見せるのがいいでしょう。」

2012年6月27日水曜日

実行力が重要

現在の業務フローとあるべき姿の業務フローができたらあとはKPIをトラックして目標に向かって進むのみです。必要なのは先ずはKPIシート、そして毎日徹底して入力することです。

「香川君、いろいろ情報もあつまったので来週の月曜からKPIのトラッキングを始めよう。」
「え?でも草薙さんまだどの部署ともKPIの合意が取れていませんよ?」
「いいんだよ、そんなの。オンラインショッピングをやっていたらどこもKPIなんて一緒だろ?」
「え、まあそうですが、、」と、香川は意外と草薙は強引な人間かもしれないと思いながら頷いた。
「誤解をされると嫌なのでもう少しだけ説明しておくと、基本のKPIがあって、それはもう会社で決まっていると思うんだな。それをいかに現場が徹底するかが成否の分かれ目だと思うんだ。なので、先ずは代表的なKPI管理を始める傍ら、各部署の詳細KPIを合意していけばいい。」
「なるほど了解しました。」

草薙は上機嫌に、「ではうちの利益は売上-仕入原価なのでその売り上げをどう作るかから書いていくと、先ずはトラフィックを呼んで来ないといけないので、訪問者、そして彼らのコンバージョン率、それと彼らの単価、これが基本となる。なので、マーケティング部門はこの訪問者に責任があり、それぞれ有料、無料の訪問者をトラックすることが基本でしょ。」
「はい」
「コンバージョン率は非常に難しいね。これは全部署が協力しないと達成できない。従い、それぞれ良いディールを作るという意味で、購買部、またよいページを作るという意味で編成部。また、お買い物カゴでのドロップを最低限にするという意味でも開発部も関わってくるだろう。」
草薙は続ける、「購買単価に関しても編成のお勧め的ナビゲーションと、開発の買いまわりしやすさも入ってくるので複数部署が担当となる。」
「これだけだと全く各部署がアクションをとってコントロールできませんよね?」
「そう、なのでもっと明確なコントロールできるKPIを各部署に設定するわけだ。マーケティング部には更には会員数を明確に追わせるべきだろうし、ユーザーのリピート率も必須となる。編成部は、自分で努力ができるキャンペーン数や、キャンペーンページのクリックスルーなどがいいだろう。営業はもちろん、獲得サプライヤー数だが、それに至るコール数と、それぞれのステータスの見込数だろう。」

「でもね、香川くんこんなことはさして重要ではないんだよ。重要なのはこれらを決めた後に、各担当が毎日入力すること、その数字を見て毎朝全員が知恵を出して話し合うことが重要なんだ。」

この会話の通り、先ずはKPIを設定して計測を開始すること。開始した後は毎日欠かさずトラックをする環境を作り、皆が数字を向上させる方法を考える習慣をつけること、これが一番重要な要素となります。

2012年6月25日月曜日

KPIツリーの導入

香川が業務フロー作成に精を出している間、草薙は次のステップを考えていた。やはりこの会社はKPI導入の概念の浸透が浅くまだまだ改善の余地がありそうである。
「香川くん」
「はい草薙さん」
「業務フローで忙しいと思うのだがもう一つ進めよう。この会社のKPIツリーを作ろう」
「KPIツリーですか?」
「そう、この会社の売上がどのように構成されているのかを分解するんだ」
「はぃ。。。」
あまりピンときていない香川を尻目に草薙はホワイトボードに「売上=」と書き始めた。
「売上は何で構成されているんだっけ?」と草薙。
「はい、オンラインショッピングの公式ですから、売上=アクセス人数x転換率x客単価ですよね?」
「そうだ。そこから先、どのように分解できるかが重要なんだ」
草薙は続ける
「例えば、アクセス人数にはお金を掛けて呼んだ有料トラフィックと、自然にやってきたトラフィック無料トラフィックの2種類があるじゃない?転換率はそれぞれのトラフィックソースによって違うかもしれない。もちろん客単価もだ。更に言えば商品数やサプライヤー数、キャンペーン数やイベントページ数、価格の競合優位数などもあげられるかもしれなし。それらを全てコントロールできた時に売上が上がるチャンスがある。KPIは決して売上が上がることを保証しないが、これらの数字がきちんとトラックできる限りおいて非常に有用なツールとなるんだよ」
「なるほど、ではまずこれを全社員に理解してむらう必要がありますね」

KPI管理の基礎となるこのKPIツリーについては経営陣で徹底的に協議し、全従業員が理解するようにしていく必要があります。一旦KPIツリーができれば、それを壁に張り出すなどし全従業員の意識の徹底をするとより効果的です。

2012年6月22日金曜日

ヒアリング総括と業務フロー

主要部署とのヒアリングが終わり草薙は香川と総括ミーティングを実施した。
「どう思う香川くん?」
「そうですね、全体にKPI管理が浸透しているようには見えませんでしたね」
「まあ、それは彼らにとっても初めてだから仕方ないよね」
「一番改善しやすそうなのはどこだと思う?」
「そうですね、見込み管理とデイリーミーティングをしていない営業でしょうか?」
「あとはKPIを追っていない編成チームkも良さ気に感じました」
「マーケティングは数字の見える化はできても改善できるかが分からないのと、開発はも同じですね。」
「その通りだね」と草薙は頷きながら香川は結構使えるのではないかと思い始めた。
「大事なのはまだ皆んながKPIが新しいと思っている間に成果の出やすいところで成果を出しすんて、全社員に注目してもらうことだね。最初は絶対に成果を出さないといけない。」「はい」と香川。
「ではゴールは営業の見込み管理が出来るようにするのと、日々その数字が全員に見えるように貼りだし、それを囲んで朝のショートミーティングをすること、結果としてそれらの合理化に伴い生産性を上げてクロージングまでのリードタイムを短縮することとしよう。先ずは手土産が必要だな。」
すかさず「それが業務フローということですね」と香川が続ける。
「その通り、じゃあ悪いけど営業部と話しながら現在の業務フローを作成してもらえる?」
「はい、業務フローですね。草薙さんすみません、実は作ったことがなく何かのひな形か何かを頂けると助かるのですが」
「ないねぇ、、前職では持ってたんだけどさすがにもってはこれないしさ。ネットで調べたら出てくるよ。でも基本はY軸に登場人物、X軸に時系列として、左から右にモノと情報とお金の流れを書いていけば大丈夫だよ」
「あ、はい、モノと情報とお金ですね。。」

こうして香川の業務フローとの奮闘が始まった。

「システム開発も結局この業務の定義が重要となるんだ。なのでしっかり勉強しといてね。」

「あ、はい。。」とシステム開発経験などない香川は首をかしげながら頷いた。
業務改善には先ずは現状の業務フローの確定とが重要。しっかり準備をしていきましょう。

2012年6月19日火曜日

開発部ヒアリング

続いて開発部の田中部長を訪問した。
「田中部長、お疲れ様です。早速なのですが開発部のKPIがあるのかないのかも含めてどのような状況か教えてもらえますでしょうか?」
「草薙さん、言うのは簡単なのですがなかなか開発では思うようにいかないのですよ。メンバーは夜遅くまで頑張っているのですがなかなか追いつかずに最近は納期に遅れることもしばしばあります。社長には人員増加をいつも相談して入るのですがなかなか許可がおりません。本日は逆にどのように管理したらいいかお知恵を拝借しようと思っていたのですが。」
「なるほど、ただ開発部ですので当然ガントチャート等はお使いなわけですよね?」
「ええそれはもちろん。こちらです。日々の業務はこれで管理しておりますが各エンジニアのKPIとなると管理ができていないというか、何を設定したらいいか分からないというのが本音ですね」
「なるほど、実は開発部の生産性をKPI管理だけであげようとするのはどこの会社でも少々厳しいというのが本音なのですよ」
「そうなのですね、それを聞いて安心しました」
「ただ、とはいえ全ての基本は各人の活動単位がわかっていることです」
「はあ・・」
「自分達が何に工数を使っているかがわかって初めて、本当の意味での必要リソースの過不足が分かるのです。従い、先ずは日々どの作業にどれくらいの時間を使っているのかを明確にするところからかと思います。」
「それはガントチャートで管理していることになっているのですが、なかなか実績を入力しないメンバーも多くて」
「そこですよ、田中さん。ビジネスサイドも開発サイドも基本は同じだと思うのです。結局は現場が徹底してやり切ることがKPI管理の基本だと思いますし、勝ち続ける唯一の姿勢だと思います。」

初回のミーティングにしては熱弁しすぎたと後悔しながら、草薙は田中にお礼をいい自席に戻った。

「さあ明日から具体的な改善策を考えていこう」と決意し帰途についた。

2012年6月18日月曜日

編成部ヒアリング

つづいて草薙は編成部の脇坂部長を訪問した。
「脇坂さん、KPI担当のオペレーション室の草薙です。本日はお時間ありがとうございます。」
「草薙さんこちらことお待ちしておりました。」
「さっそくですが編成部のKPIについて教えて頂きたいのですが。」
「もちろんです。編成部では社長の指示でビジター数とページビューを追っています。ただ正直なところビジター、ページビューともにいかにマーケ部がトラフィックを送ってくるかにかかっているんですよね。なので正直なところあまり力を入れてトラックしていません。何かアドバイスがあれば是非お聞きしたいと思っていたところです。」

草薙はまた内心にやりとしながら平静を装い、「もちろんです。」と答えた。
「脇坂さん、別件ですが編成チームの生産性はどう見られていますか?」
「みんなスキルが高いいいチームですよ。ただ問題はいろいろなチームからいろいろなリクエストが来るので慢性リソース不足ですね。なかなか納期通りに納品できません。一層のことキャンペーンの数を減らすべきだと思っています。」

この編成部の事例では最もよくありがちな誰かがやれと言ったのでやっているが、どうも自分はしっくりこないという例です。そして編成部でよくありがちなのが美的ディテールにはこだわるが、売上にはこだわらないという態度です。オンラインショッピングをやっている限り、デザイン大賞を狙うのではなく、いかに売れるページを作るかに専念すべきです。KPIは設定の仕方によりそうした意識改革もサポートすることができます。また本件の場合は、何か知らないが忙しいという状況ですので、同時に業務フローの見える化を通して、編成部全体の生産性アップに貢献できる可能性も非常に大きいと考えられます。KPIマネジメントとは単に数字をトラックするというものではなく、現場の見える化を通しての業務改善と社員の意識改革が伴うものです。その点を忘れずに推進をして行きましょう。

2012年6月14日木曜日

マーケティング部ヒアリング

日を改めて草薙はマーケティング部長の浅井部長と対面しました。
「草薙さん、いろいろと噂は聞いていますよKPIは私の大好きな管理指標でして、できることなら何でも協力しますから言って下さいね」

草薙はこの下手に出る浅井を警戒しながら話を始める。
「浅井さん、こちらこそよろしくお願い致します。今大好きとおっしゃいましたが、ではすでにマーケティング部のKPIは設定されているということでしょうか?」
「あたりまえですよ、こちらです」
と、浅井は自分のパソコンをスクリーンに投影しながらGoogle Adwordsにログインをした。
「今やっていることは、CPCを20円以下に設定し、限られた予算でなるべくクリック数をあげることです。同時にROIの目標を10%に設定しており、日々それを目指してチューニングしています。」
「なるほど、コンバージョンレートは見ていますか?」
「見ているけど主要な指標とはしてないですね。コンバージョンは購買サイドの商品への目利きや値段に左右されますからね」
草薙は議論をしかけたいところをぐっとこらえて次の質問に移った。
「Google以外はどうですか?」
「価格比較サイトやアフィリエイトをしていますが大した金額を投入していないのでクリック数とROI以外は見ていないですね」
「全体には月いくらの予算を使っていますか?」
「月によりますが6000万円くらいでしょうか?」
「そのうちGoogleにはいくらつかっていますか?」
「先月で2000万円くらいですかね」
大きいとはいえ全予算の3分の1しか使っていないGoogleしか管理していない、またしていといってもGoogle Adwordsのコンソールを見ているだけのこのマーケティング部長はきな臭いとと思いながら話を円満に終わらせ草薙は退室しました。

マーケティング部隊は効果が出てもでなくても予算がつき、また効果の出し方が非常に分かりづらいだけに、往々にして本ケースのように権限を誇示するが、自部署についている予算金額を守りたいがために自己正当化しがちな責任者が多いようです。こういう人達には自尊心を傷つけないよう見える化をしながら外堀を埋めていく必要があります。

2012年6月13日水曜日

各部署ヒアリング

草薙は現場主義を学んできたため、当然最初のステップは現場のヒアリングとなります。組織図全体を見渡して最も手をつけやすいのが営業部、また最も数値管理が進んでいるべき部署がマーケティング部と判断しました。

営業 大川部長とのミーティング
「大川さん、初めまして草薙です。KPI推進担当となりましたので今後共よろしくお願いします。」
「ふぅん、KPIね。まった新社長は現場も知らずにアメリカかぶれした思想ばっかり持ち込んで困った人だね。で、何を手伝えばいいの?」
「先ずは大川さんの部署での営業成績の管理について教えていただきたく。」

このようにいかに社長直下といえ、概ねKPI担当に対しては各部署の責任者の口調は冷たいものになります。この程度の抵抗にあって戸惑っているようではKPI担当は務まりません。意にかけずどんどんと要件を推進します。

「うちは40人の部隊で各営業マンが月10件の新規サプライヤーを探してくることがノルマとなっている。なんでもいいというわけではない。コマースフロンティアの選定基準に合致した選りすぐりのサプライヤーを獲得してくる義務がある。」
「なるほど、どのように管理されていますか?」
「今度営業会議に出てもらえば分かるが、40人が各5チームに別れており、それぞれのチームリーダーが数字の進捗とパイプラインを報告することになっている。そこで遅れているチームがあればはっぱをかけてリカバリーさせるということだよ」
「日々の管理はどうされていますか?」
「各リーダーが自身の裁量で部下をマネージしておる」

なるほど、と頷きながら草薙は内心ニヤリと笑いました。通常の会社ではこの週1回の営業会議が基本となりそれ以下のレベルまだ管理できていないことがほとんどだからです。また、進捗とパイプラインの管理はできていますが、着地見込みの管理ができている会社が意外と少ないと見受けられます。そういう意味で草薙は早くも改善の余地があると判断したわけです。

草薙は続ける「全体の達成率はどのような推移ですか?」
「最近は競業状況も激しく苦戦しておる。ここ5ヶ月は未達成で達成率が70%程度となっている。」
「なるほどそれは由々しき状態ですね」
「はっはっは、言うのは簡単だよ、何なら草薙君、君がやってみたまえ。」
草薙は受け答えせず続ける「電話件数等は管理していますか?」
「基本は社内にいるなと指導している、社内にいる間は受話器をガムテープでくくりつけとけと言っておる。まぁ典型的な営業部だな。がっはっは。」

草薙はこのミーティングで営業部の業務フローの作成支援を快諾してもらい、それが第一歩と言いながら次の行動に向け、電話件数と、会話時間管理、獲得見込み管理、リード数管理とリード数増加に向けた取り組みを改善点としてメモをして弦巻社長に報告した。

2012年6月12日火曜日

新連載 草薙のKPI導入記

本日からストーリー仕立てでKPI担当の直面する課題を個別に見ていきましょう。

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コマースフロンティア社は日本を代表するオンラインショッピング会社です。以前アメリカのビジネススクールに留学したことのある新社長弦巻直々の号令でKPIマネジメントが導入されることとなりました。弦巻社長は社長直下にオペレーション室を設置、前職での経験を買われ中途採用ながらこのオペレーション室初代室長に選ばれた草薙室長。着任早々新人担当の香川と二人三脚で現場との格闘が始まります。

初日
「香川君、先ずはコマースフロンティアの組織がどのような構造になっているのか組織図をもらえる?」
「はい草薙さん、当社の組織はこのようになっています」

※組織図を提示

「社長直下に各部署が並列しています。先ずはマーケティング部、ここではブランディングとパフォーマンス・マーケティングの両方を担当しています。次に当社は当然オンラインリテールですので、サプライヤーから商品を買い付ける購買部、そのサプライヤーを探してくる営業部、サイトを作る編成部、消費者からの問い合わせを受けるユーザーサービス部、開発全般を実施している開発部となっています」
「なるほど、では各部署のKPIは?」
「KPIですか、、?もちろん流通額やサイトのビジターを追いかけています」
「いや各部署の指標を知りたいのだけど」
「草薙さん、すみません自分では把握していませんが、恐らく流通額など全社的な指標しかないと思われます」

恐らくオペレーション室を作りKPIを導入しようとするとこのような会話が繰り広げられると思われます。先ずは会社の組織を理解し改善効果の高い部署から手を付けるのが王道となります。これはもちろん懐疑的な社員が多い中素早く実績を見せないとオペレーション室自体の立ち位置が危機にさらされるからです。

2012年6月8日金曜日

KPI管理導入の手順

さてこれまでの連載でKPIの大枠は理解頂いたと思います。次によく頂くのは、「KPIの有効性は分かった、ではどう導入すればいいか」というご質問です。初回にご説明しました通り、先ずはトラックする風土を作ることが大事ですが、一歩引いてより現実的に効果の上がる導入手順を考えると下記の通りとなります。


1.売上の因数分解
2.KPIツリーの作成
3.責任者の明確化
4.KPIシートの作成
5.業務の見える化、業務フローの作成
6.改善ポイントの明確化
7.日報作成
8.会議体の構築
9.計測開始
10.アクションリスト作成
11.アクションのトラック、実行
12.PDCAサイクルのスピードアップ
13.情報の共有
14.全社のKPI風土醸成、継続教育


13は導入時に同時並行して教育をしていく必要がありますが、先ずは選ばれたメンバーで数字がどのように変化し、成長していっているのかを見える化し、それをサンプルに全社を啓蒙していくことが効率できでしょう。

再度になりますが、実はKPI管理の導入自体はさほど難しいものではありません。難しいのはKPIオリエンテッドな戦う組織を作ることであり、それができるのは経営者自身の固い意志のみといえるでしょう。

明日からは新連載としてオンラインショッピングサイトの実例を見ながらKPI管理のスムースな導入方法を研究して行きましょう。

2012年6月7日木曜日

KPIとは

本日は一息ついてKPI管理とは何かについて今一度振り返ってみましょう。

KPIとは初日にご紹介しました通りKey Performance Indicator、日本語にすると重要業績評価指標となります。これはアメリカで80年代後半に取り入れ始められた経営指標で日本でも2000年代から一般的なものとなっております。会社の業績を数字だけから分析するのは不可能ですが、同時に数値化出来ないものは管理することが出来ないということも真です。従いいかに有用なKPIを設定するかが非常に重要であるといえるでしょう。

本日までいかに一般の企業にKPI指標を導入するかという視点で記載してきましたが、アメリカでは遥かに進んでおり、経営陣の採用のさいにKPIにリンクしたボーナスを設定し、経営陣にはいかなる手段を用いてもその指標を達成することを強要します。経営陣は金銭的インセンティブのために我武者羅にKPI達成に向けて働くという構図です。結果として株主からみると経営指標が達成され業績も向上するということになります。

この手法は少々ドラスティックな部分もありますが、マネジメントサイドがしっかりと自社のKPIを理解し、KPIツリーを描いた上で、何を最重要指標に設定するかを理解しているともいえます。逆に言いますと、一般の日本の企業は明確に業績を左右するKPIの意識付けが、トップマネジメントレベルでも認識されていないことが多いといえます。売上と利益はもちろんですが、その売上と利益を構成する主要な指標を明確に理解しているかが最終的な業績を左右するわけです。

2012年6月6日水曜日

KPI管理の全体像

以上、14回に渡りKPI管理の全体像を説明してきました。先ずはKPIのトラッキングを始めること、次に正確にKPIをトラックするために、必要なツール、因数分解をしKPIツリーを構成することを説明しました。KPIが定まった後は、会議体の設定と各KPI責任を明確にすること、情報を共有すること、そのために日報は重要なツールであることもご理解いただけたと思います。

再度になりますが、数字をトラックすることが全ての始まりです。そしてその数字を元に他社よりも素早いサイクルで改善活動を継続する企業文化の醸成がKPIマネジメントの成否を左右します。ビジネスの成功に王道はありませんが、KPI管理が貴社の経営の見える化と生産性の向上に寄与することは間違いないでしょう。

2012年6月5日火曜日

KPI管理のための日報システム

システムと聞くと何か難しい響きがするかもしれませんが、ここでいうシステムとは「仕組み」という意味で、必ずしも情報システムである必要はありません。KPI管理で必要な会議体については先日説明しましたが、もうひとつ重要な要素がこの日報システムです。
目的は前日の業績を翌朝には分かる仕組みを導入し、経営の精度を上げることとなります。9時なり、10時なり貴社の実態に合わせ日報の提出時間を設け、各部署がその時間までに必ず日報を提出する仕組みを導入します。

ここでいう日報とは本ブログの一番最初に説明した、KPIシートの延長で構いません。各部署のKPIシートから主要指標を取り出し、その数字を的確にレポートします。このことで日々の変化が見れるようになり、経営陣も数字の変化を早期に発見できるようになります。また、この日報で重要な要素はKPIシートに追加し、先月もしくは指定の期間前の数字からの成長率を入れることとなります。企業活動にとり成長こそがガソリンであり、成長なくしては企業そのものの運営が成りいかないことを、全従業員が理解することがなにより重要です。そういう意味で、この前月、もしくは前期間との比較による成長率の記載とそれに対する経営陣の確固たるリーダーシップがKPI管理と会社経営の成否を決める大きなポイントとなります。

2012年6月4日月曜日

KPI管理のための会議体

KPI管理の仕組みが分かれば次に、そのKPI管理の仕組みをいかに会社の中に埋め込んでいくかが重要となります。ポイントは主要な会議でそのKPIをしっかりトラックする仕組みを導入することです。先ずはトラックすること、追って会議参加者に分析の宿題を与えることで次第に自ら分析して推進する組織が出来上がってきます。

左図の例ですと経営会議と予算会議を最高意思決定会議に設定し、そこに向かって営業レベル、開発レベル等主要部門が、またその下の各部署、チームレベルから情報を吸い上げてくる仕組みを会議の構成として作ります。その上で毎日のKPIトラッキング活動によりKPIを管理し、フォーマットを決めて会議に提出します。こうすることで、当初は社員も手間がかかると思っていたKPI管理が、実は日々のKPI入力だけをしっかりしておけば、半ば自動で会議資料ができることに気づくでしょう。

会議ではKPIを完結に報告してもらう際に、それらを改善するためのアクションを記載してもらいます。自己申告ですので、そのアクションは責任をもって遂行してもらいます。それらの自己申告アクションに加えて、経営陣から分析の宿題もでるでしょうし、新たなアクションの要求もでるでしょう。的確なアクションを指示し、それらをしっかりと実行されるまで監視することがこの会議構成の主要目的となります。

最後にそれらの最終的なKPIとそれに基づき決定された事項を最低でも週に一回全社員に共有することが、社員の自主的な行動を促す上でも非常に重要な要素となります。従い、全社情報共有会議の設定も忘れないよう設定しましょう。

2012年5月31日木曜日

KPI管理の三種の神器:アクションリスト

先日の業務フローと同じく重要なのがアクションリストとなります。とどのつまりKPIマネジメントの真髄は、日々の活動を見える化し、各個人が自身のKPIを理解した上で、その改善活動をいかに他社より速く実施するかということです。従い、業務フローを明確にしタスクを細分化して改善しやすくするとともに、数値の悪い業務に対して仮説を立てて改善を「実行」することが重要になります。

KPIは10年ほど前から流行りの経営用語ですので、導入をされている企業も多数いらっしゃいます。一方で、この業務フローを利用しての改善活動と、アクションリストを利用しての実行の徹底はさほど浸透していないように見受けられます。なぜなら実行の徹底には根気がいるからです。いかに優れた経営手法を導入しても実行されなければ画餅となります。従いどのような簡単なToDoリストであってもしっかりと行動をトラックし、指定されて会議体で活動の終了と分析までをトラックするようにオペレーションを構築することが重要な要素となります。

2012年5月29日火曜日

KPI管理の三種の神器:業務フロー

以前一番最初にKPIの始め方として、KPIシートをご説明しましたが、本日はKPI管理に必要なもう一つのツール「業務フロー」についてご説明します。

いかに貴社のビジネスがデジタル化、自動化された業務であれどこかに何らかのマニュアルオペレーションが存在しているはずです。業務を始める前にそのマニュアル業務を抜き出し、業務フロー化しておくことが貴社の生産性改善にとり非常に重要な作業となります。

以前因数分解の重要性を説明しましたが、因数分解の目的は業務を細分化して改善できる箇所を改善していくためのものです。一方で、いくら改善していく箇所の数字が分かったところで、どのように改善していったらいいかが分からなければ結局数字は改善しません。従い、改善前の業務フローの理解と、理想形の業務フローの作成、その二つのフローの差分を潰していくことが日々の重要な改善活動になります。

上記の例は単純な資料請求の業務フローになります。顧客から連絡が入る度にコールセンターから資料を発送、それと同時に営業CRMに見込み客リストが収納され、営業マンが後日架電するというフローを説明しています。

簡単なフローですが、こうして書き出すことで、例えばプロセスKPI に設定した営業マンの架電が少ないことに気づきます。気づきがあることで、何か対策を考えるきっかけとなり、架電件数向上のために、資料はオンラインでダウンロード形式にすればいい、コールセンターで一次セールスをしたらいい、などいくつかの改善案がでてくるでしょう。

こうした業務フロー改善を通したリードタイムと全体工数の削減を実施することで、生産性が向上し、結果として結果KPIが向上することになります。

KPI管理を開始するには、こうした業務そのものの理解と業務フローの知識が必要になります。

2012年5月28日月曜日

KPI管理の位置づけ


前回までKPI管理の概略を説明してきましたが、このKPI管理活動の位置づけは企業活動の中でどのようなものになるのでしょうか。左の図を参照していただくと分かるように、通常企業は戦略を立てて、予算を作り、予算達成のための中期実行計画などを立てます。これが通常の会社の計画パートの活動内容となります。一方でその計画パートを実現するために必要なのは日々の改善活動であり、そのサイクルを素早く回すPDCA活動であり、それらを管理する活動計画といえるでしょう。

これら2点の、計画部分と日々の活動部分を繋ぐ土台となるのがKPI管理活動です。日々KPIをトラックすることで日々の活動のなかでの立ち位置が分かり、日々の活動の立ち位置が分かることで、目標とのギャップが分かります。従い、このKPI活動は企業活動の精度を上げる非常に重要な位置を占めており、企業全体の風土として取り組むことができるかどうかがKPI活動の成否を決め、企業活動の結果を決めることになります。

2012年5月25日金曜日

KPIツリー


次にKPI管理の中で重要となるのが、KPIツリーの考え方です。KPIは思いつくものをただトラックするだけでは不十分です。経営層、またメンバー全てがそのトラックする数字の意味を理解して初めて意味を持ちます。従い、KPIを設定する前にKPI設定ミーティングにてKPIの因数分解をしていきます。そしてそれらを線で結んで結果(リザルト)KPIに結び付けられれば完成です。

簡単にオンラインショッピングのKPIを例に取ってみましょう。先述の通り売上はアクセス人数✕転換率✕客単価であったとします。これらだけをトラックしても結果は向上しません。それぞれの要素を更に分解してトラックし、アクションを取ることで初めてKPI管理の意義が増します。

アクセス人数を例に取ってみると、いかなるインターネットサービスもいかにトラフィックを呼んでくるかが勝負となります。トラフィックの中には無料トラフィックと有料トラフィックがあるでしょう。無料トラフィックを向上させるには、サーチエンジンにインデックスされているページ数を増やす必要があるでしょうし、サイトの最重要キーワードの検索順位を上げる必要もあるでしょう。有料トラフィックを呼ぶにはマーケティングチャンネルごとに呼んでくるべきトラフィックがあるでしょうし、そのチャンネル毎の投資対効果(ROI)を上げていくことも必要でしょう。

このように日々の売り上げを構成する要素を因数分解しトラックするべきKPIを把握することで、業績向上に向けてアクションをとることができるようになります。

ひと度因数分解ができたら、それらの要素を是非KPI管理ツールに登録してて運用をしていきましょう。> KPI管理ツールはこちら

2012年5月24日木曜日

KPIの種類

KPIには2種類のKPIがあります。1つ目は通常の会社でもトラックしている結果としての指標で、会社の結果KPI(もしくは、リザルトKPI)です。2つ目はその結果KPIを得るための、途中プロセスを管理するプロセスKPIになります。事例を見ながら見ていきましょう。

 営業活動の例を見てみます。
成約件数は結果としての数字ですので結果KPIとなります。ではこの結果KPIを向上させるためにはどのような活動をしていけばいいでしょうか。

先ずは営業マン一人あたりのコール件数を上げることが重要かと思います。KPI管理に取り組む前に必要なのはこの活動の因数分解が重要なのは先述です。

営業成績(売上) = コール件数 ✕ 成約率 ☓ 成約単価

また前回KPI管理の留意点で話しました通り、KPI管理で重要なトラッカブル、 でコントローラブルであることを考えてみると、一番コントロールしやすいのはコール件数となります。従い、営業活動で最も重要なのはコール件数と位置づける事がかのうです。

最も単にコール件数だけを追いかけると、所謂ワン切りされるところにばかり電話する営業マンが出てくる可能性がありますので、徐々にワン切りを除く成功コール数、もしくはトータルコール時間もKPIに追加していき営業活動の精度を上げていきます。こういった一連の活動がKPI管理、マネジメントの骨子となります。

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2012年5月23日水曜日

KPIの因数分解

KPI管理を始める際に重要となるのは、貴社のビジネスの因数分解です。貴社の売上ががどのような構成でできているのかをしっかりと理解、分析し定めていきます。

例えば左の例のオンラインショッピングの場合、売上は総訪問者数✕注文への転換率✕顧客単価の積となります。この公式が分かればどのビジネスであろうとKPIの設定はスムーズに進むでしょう。即ち、一度設定した後は、いかに訪問者数を上げて間口を広げ、顧客訪問客を注文客に転換をさせて、 一注文あたりの単価を引き上げるかに注力できます。
 このケースですと、Googleなどからいかに有料、無料を含めたクリックを持ってくるかが重要ですし、サイトのクオリティやナビゲーションを強化して、転換しやすい仕掛けをしていくことも重要です。同時に、注文時のついで買いなどを誘発する仕組みを提供して客単価を引き上げます。

全てが連携した努力であるべきですが、それぞれを個別にトラックすることで合計の売上を上げることができます。この公式を元にした進捗管理こそがKPI管理の基本動作と言えるでしょう。

先ずはしっかりと貴社の売上要素を因数分解し、エクセルやKPI管理ツールなどを利用し数字をトラックする作業から始めましょう。

2012年5月22日火曜日

KPI設定の留意点

本日はどのようなKPIを設定したらよいかという、KPI設定時の重要な留意点を考えてみます。





基本事項として、下記3点が押さえられていればそのKPIは先ずは及第点でしょう。

・オーナー
貴社の売上を構成する要素全てがKPI化されており、全ての数字に対して誰かがコミットしている状態である必要があります。人は責任を認識して初めて動けるもので、オーナーのない数字が勝手に作りだされるはずはありません。

・トラッカブル
KPI管理をするわけですのでその必要な情報がトラックできるように抽出できるか、それは物理的に、毎日性格に抽出可能か、運用として継続可能かを含めて確認します。

・コントローラブル
折角抽出してもその数字が責任部署、責任者にとってコントロールできる、即ち向上させるためにアクションをとれるかどうかが重要です。コントロールできないKPIを設定しても現場のストレスが増えるだけですので、現場と確認しながらそれがコントローラブルかどうかを検証していきましょう。

2012年5月21日月曜日

KPI管理のステップ



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前回KPI管理の意義編にて、日々目標との差分を理解することが重要であるとご説明しました。その差分が理解できるまでにはいくつかのステップが必要となります。

1.先ずは1にも2にもトラックを始めること
2.次にその数字の意味が理解できるようになります
3.次に昨日や先週からの成長を理解できるようになります
4.次が重要で、目標達成のために目標との差分を理解し、アクションプランを立てて実行していくことで、差分を克服していくことができるようになります

成長こそが企業のガソリンであり、日々成長を認識することがいかに従業員の士気に影響を及ぼすかを理解しておく必要があります。概ねSTEP4のレベルまでいくとKPI管理がうまくまわっているといえるのですが、多くの企業で計測を始めるのに手間取り、また惰性で計測しているがあまり有用なアクションプランを立てられずに、数字が改善してこないという状況に陥っています。途中に多くの改善ステップがあるのですが、最も大事なことは従業員に根ざす企業文化を変えることです。従い、KPI共有の会議を設定し、各人が納得した状態で毎日数字をトラックし、数字のギャップに対して何らかのアクションが取られている状態にした上で、そのプロセス可視化することが非常に重要なアプローチとなります。

KPI管理のPDCAサイクル

KPI管理の意義がチームに浸透したら早速改善活動に入ります。改善活動に入る前に用意しておくものは下記の3点です。

1.KPIシート
2.業務フローチャート
3.アクションリスト

それぞれの詳細は追ってご説明しますが、重要なのは1.先ずはトラックすること、2.業務フローがしっかりと図解できていること、3.担当者を明確にして次のアクションをトラックすることです。特に業務の現状フローが分かっていないと次の改善につなげられないので改善したい業務に関しては一度フローチャート化することを推奨致します。

導入当初は先ずは週次の入力から始めますが、可能であればデイリーでの入力を促し、毎日見提出者をしつこく追求することが重要です。ここは通常従業員から嫌がられる仕事ですが、 KPI管理の意義をしっかり伝え、腰を据えて取り組みます。

KPIが入力され始め2週間が経つと先週との比較が見られるようになります。この段階で常に先週より成長しているかを気につける習慣をつけさせます。 目標値に及ばないKPIが必ず出てきますので、そのKPIプロセスの因数分解を実施し必ずアクションに日にちと責任者を明記し前担当者に情報共有します。

 この一連のサイクルをいかに他社より早く実施できるかが勝負の分かれ目となります。それぞれの活動の品質をあげるヒントは逐次本ブログで共有させて頂きますが、先ずは業務を理解し、トラックし、 改善アクションを策定し実行する所謂PDCA(Plan, Do, Check, Action)を高速に回せる企業文化も含めた土台の構築を実施しましょう。


2012年5月16日水曜日

KPI管理の階層


理想的には各個人が個人KPI持っており、日々の集計の結果がチームKPIになり、チームKPIの集計の結果が全社KPIとなることを目指します。しかし、どうしても手動で集計しないといけないKPIがあると、そのKPI数値の集計に時間がかかり、全社KPIが出るのに時間がかかり結局タイムリーに経営判断ができない可能性があります。

従い、各個人レベルでのトラッキングは非常に重要ですが、会社やチームとしてのKPIとは切り離して考え、日々無理のないスケジュールに落としていくことが非常に重要です。大切なのは各個人のKPIを元にパフォーマンスを図れることで、その点のみ注意すれば、導入翌週から効果を見ることができます。

例えば営業のコール件数を管理するとします。各個人の合計数がチームの合計となり、チームの合計が営業部全体の数字となるわけですが、大切なのは各個人、各チームの活動量を「見える化」することであり、見える化に成功すれば、KPIの導入は半分以上終了したといえるでしょう。即ち、毎日張り出される数字が良い意味で暗黙のプレッシャーを毎日他のメンバーよりコール件数が劣っている営業マンはコール件数だけは他人に負けないよう頑張りだします。

この透明かつフェアな見える化のための個人レベルでのトラッキングが非常に重要です。
一方でこの個人レベルのKPIに計算式をいれこみ全社レベルの数字に吸い上げる事は可能ですが、それは後ほどKPI管理の経験を積んでから実施する高等技術と理解し当面は、個人レベルと会社レベルの2軸を愚直に入れ続けることを推奨します。

2012年5月3日木曜日

KPI管理の間隔

先日書きましたように、KPI管理は項目を決めるという前提のタスクがあり、決めた項目をトラックするという時系列のタスクがあります。日々改善し自走する組織を作るためには、KPI測定を開始すると同時に、トラックするための時系列の仕組みを導入する必要があります。

先ずは各チームでの朝礼が基本となります。各人が前日帰宅前にKPIをアップデートし、翌朝チームで数字を見て話す習慣がKPI管理の成否を決める重要な要素となります。経営者自ら書くチームの朝礼に参加してみるなど、重要度の意識付けを率先して実施しましょう。次に全社レベルのKPIミーティングが最高の意思決定機関となるように会議体を設定します。各チームが必ずKPIをアップデートするという習慣を根付かせるためにも週一回の開催が理想的でしょう。先ずはこの朝礼と週一回の会議で様子を見て、必要に応じて会議体を設定していきます。

KPI管理の意義

昨日は先ず始めることが大事だとお伝えしましたが、そもそも何故KPI管理が重要なのでしょうか。先の図が端的にKPI管理のメリットを伝えています。通常の会社では月次、もしくは週次の営業会議などでパフォーマンスを図っていると思います。しかし月末に数字が未達であると気づいても、往々にして遅すぎてその月の目標を達成することは出来ないでしょう。

翻って、KPI管理で勝ち続ける会社で実施されているオペレーションは、日次での実績管理です。各個人が帰宅前に当日の数字をアップデートし、翌朝チーム内での朝礼で昨日までの数字を確認、未達の場合には早急に対策を打てます。

この、改善するスピードの違いが長い目で見た企業の業績に反映されます。 日報などは業務の無駄たという意見を多々聞きますが、このKPIに関しては目的を外さずに導入すれば、必ず貴社の業務効率を改善させることができます。従業員全員が数字に責任を持つことで戦う組織に変わる事がこのKPI管理の目的ともいえるでしょう。

2012年5月2日水曜日

KPI管理の始め方

最近よく、KPI管理を導入したいという相談を受けます。KPI(Key Performance Indicator 重要業績評価指標)というと何やら難しい経営学の学問のように聞こえ、導入を躊躇するのかもしれません。しかし、KPI管理とはもっともっと簡単、かつスピーディーに始められるものです。

より管理を効率化し、生産性を高める方法は追ってご紹介しますが、先ずは始める事を推奨します。必要なのはエクセルもしくはKPI Masterのような簡単なツールだけ。縦列に日付、横列にKPI項目を記載するだけです。いかに高度な管理も日々「記録する」という行動なくしては始まりません。また、その記録するという僅かな時間を犠牲にすることを厭い自動化から始めようとすることは間違いです。先ずはエクセルで初めて、KPIの定義とシートの仕様を固め、数ヶ月運用した後に自動化するなら自動化に着手することです。

ちなみに私は自動化は最後の最後でよいと考えております。誰かが日々その数字を確認しながら入力し、数字の変化に気づく、この「気づき」こそがKPI管理で最も重要なアクションです。気づきを得るには日々入力されていく数字の意味をしっかりと消化しながら記録し続けることです。

難しい考えは一切不要です。さあ先ずは簡単なKPI管理ツールを利用してKPI管理を始めましょう。

2012年4月29日日曜日

はじめまして

KPI Trustのブログです。本ブログではKPIマネジメントのコツ、ノウハウを順次ご紹介していきます。また弊社にて開発中のKPI管理WEBアプリケーションKPI Master2のご紹介と、KPI Master2を用いた簡単な生産性向上講座を開催していく予定です。

よろしくお願い致します。